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沈黙のMars#3
夜も深まってきたころ…。夜道を歩く人影があった。
『Mars』本部の方向へ、迷うこと無く進んで行く。
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「久しぶりですね。エルさんと任務なんて。」
奏が得物を振り回しながらはにかむ。
「ああ。そうだな。その前にっ!」
エルは奏の得物である巨大な盾を避けながら、叫び返す。
「盾をっ!しまってくれって!」
「そこの2人、止まりなさい。」
女性の声だ。
ハッとして顔を上げると、美人だが、壊滅的に目つきの悪い赤髪の女性が立っていた。
特殊秘密機動隊(S.S.R.)の制服を着ている。
まずい。そう本能が告げている。
「ここから先は立入禁止区域だ。引き返せ。」
細い目を、更に細くして言う。
「チッ、奏!後衛にいろ!」
「はいっ。」
相手はS.S.R.。一筋縄ではいかない。
拳銃をそっと取り出す。奏は盾を構える。
バンッバンッ
まずは相手の動きを封じなければ。足のあたりに直撃、もしくは跳弾すれば、しばらくは動けないはず…
だが、そううまくはいかなかった。なんと、バク転して避けられる。
「S.S.R.の|甘井霞《あまいかすみ》よ。武器を下ろしなさい!」
ほう。と感心する。おそらく相当の現場を踏んできたのだろう。動きがプロだ。
甘井と名乗る機動隊員は、投げナイフを飛ばしてきた。
マジか。S.S.R.って投げナイフも使えるのかよ!
心の中で毒づき、横っ飛びで避ける。
紙一重だった。
お互い息が乱れている。
実力はほぼ互角。こういう戦いが、一番辛い。
「奏!」
「ハイッ!」
奏の馬鹿力で甘井を吹き飛ばす。
甘井は見たところ細身だ。奏の盾なら…
奏は迷うこと無く突進していく。まるでイノシシのようだ。コードネームである|イージス《守護の盾》は伊達ではない。
甘井の顔が引き攣る。そのためか、動きが鈍くなる。
轟音が響き、甘井と盾とがぶつかる。
甘井はあえなく吹き飛ばされた。が、流石にプロ。受け身は取ったようだ。
(まぁ、無事では済まされないだろうがな。)
「私は甘いものは嫌いなんです!」
奏は誇らしげに盾を構え、甘いに向かって高らかに言うのであった。
「あんた、S.S.R.じゃないだろ。」
「よく、分かったわね…」
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あたしたちはあれからすぐに本部と連絡を取り、帰還した。
甘井はいつの間にかいなくなっていた。
これが敵組織の最初の|宣戦布告《コンタクト》になっていたと気づいたのは、まだ先の話だ。
次回予告!「T.B.ヴァロン」です!