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0006 天才なので、準備はOKです
小学校を卒業した私は、着々と術学に行く準備を進めていた。
と言っても卒業式より前の週末に、ある程度の買い物や書類提出は済ませているから、荷物を詰めたり、取材を受けたり、寮生活に備えて料理を教わったりと、大したことはしていない。
あ、いや、新入生代表挨拶に選ばれたから、それを考えているのは大したことに入るかもしれない。まあ、一度答辞で似たようなことをやっているから、結構気が楽だ。
そんな感じに毎日を過ごしつつ、入学式の三日前。
ようやく、寮へ移動する日が来た。
私が通う第一術者養成学校は、香川県にある。
高知県は、現在一番妖魔が現れている場所と言われているため、その近くの香川県に優秀な術者を行かせるには丁度いいんだそう。ちなみに徳島県は、海岸に妖魔が現れることが多いので、徳島県に術学を建てる案は却下された。
また、妖魔が現れ始めてから、四国には一般人は立ち入り禁止となっているため、入学式はリモート配信をしている。テレビ局も、術者をリポーターとして多く雇用している。
まあそんなわけで、術学に行くまでには術学から迎えが来るわけで……
今、私はかなちゃんと夕陽と一緒に、高そうな車に乗っているところだ。
「いよいよだねぇ」
「そうだね、めっちゃ楽しみ!」
「寮って結構いいって噂なんだよね? 聞いた話によれば、ここで便利な暮らしになれさせて、同じような生活がしたかったら術者の公務員になりなさい、という陰謀があるなんて囁かれているらしいよ?」
「そうなの? 夕陽は物知りだねぇ」
そんな風に二人と話していたら、しばらが経って術学についた。
最近はどの車でも快適に過ごせるとよく聞くけど、家の車よりも断然乗り心地が良かった……。
「ようこそ、術学へ」
運転をしてくれた人が私たちに呼びかける。
ついでに番号がついたカードキーを紙ももらえた。
「今後の予定を伝えますね。まずは寮の自室に向かってください。この部屋の番号がそれです。地図も書いてあるのでそれを参考にしてください。入学式は3日後の4月10日火曜日です。それまでは基本寮でお過ごしください。寮には談話室や遊戯室もあるので、そこで時間をつぶしても構いません。部屋には制服や教科書が届いています。調整したい場合は寮母に言ってもらえれば変更や調整ができます。
何か質問はありますか?」
「大丈夫です」
「ないです」
「ありません」
「それでは楽しい学校生活をお送りくださいね」
そして、そこでその人とは別れた。
私たちはさっそく荷物を持って寮の部屋に向かう。
部屋は、三人部屋だった。広めの共用スペースと、ベッドと机とタンスが置いてある個室が三つほど。共用スペースには一応風呂もキッチンもついていた。
寮には温泉や食堂はあるけれど、どっちを使ってもいいらしい。
まあ特に何もなかったら絶対に温泉は使うな。食堂は……休みの日くらいは自分で作りたい。
「ただいま~、あ、もしかしてさっき来た?」
廊下からの扉が開いて、一人の女の子が姿を現した。
たぶんこの人が同室の同級生の一人かな?
「うん」
「よろしくね、うちはCランクの前村千春。千春ってよんで!
あなたは?」
「私は駒井咲良。よろしくね」
「サラ……駒井咲良ってあのSランクの!?」
「なんで知っているの?」
「先輩たちがめっちゃ噂してたから」
「そうなんだ……」
「うわぁ、Sランクと同じ部屋……うちの身、持つかなぁ」
「Sランクだからってなにも変わらないから!」
「そっかぁ……」
――コンコン
「はぁい」
「どうぞ~」
「失礼します……」
また女の子が入ってきた。
「この部屋に入りました、望月遥です。よろしくお願いします……」
「何ランク?」
「Eです。将来は研究者になりたかったので、何とか入れて貰いました」
おお、本当にそういうパターンっていたんだ。
「もっと気安く接してもいいんよ?」
さらに千春が問いかけた。
「……今はまだ無理です」
「そっか……じゃあその時を楽しみに待ってるね~。あ、あたしは前村千春、Cランク」
「私は駒井咲良。いちおうSランク。よろしくね」
「Sランク……すごいです! わたし、全然魔力がないので必要なときは協力してもらってもいいですか!? 実験とか。あ、もちろん対価もちゃんとお支払いします!」
「いいよ」
私がそう返答すると、遥ちゃんの顔が笑顔でぱあっと輝いた。
「ありがとうございます!!」
私と遥ちゃんの会話がひと段落したのを見取ってか、千春が、
「じゃあ荷物を置いてそろそろ夕食を食べにいかない? たぶん他の子たちも夕食に行っている時間だと思う」
「いいね! 遥ちゃんもいい?」
「大丈夫です。すぐ準備しますね」
「分かった」
「オッケー!」
私、千春の順番に返事をした。
遅くなりました!
テスト勉強の息抜きに書いたもののまだテスト始まってない……
もしかしたらすぐ上がるかもしれませんし、遅くなるかもしれません。
気長に待ってくれると嬉しいです。
これからもこのシリーズをよろしくお願いします