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離ればなれのあなたへ#2
楓と彩視点
入学から一週間経った。
俺はバスケ部への入部を決め、彩は吹奏楽部へ入ったと聞いた。
新しい生活にも段々と慣れてきた。
新しい友達もでき、勉強も頑張っている。と、言えれば良いが、部活と勉強の両立は思ったほど簡単ではない。
彩ともなかなか一緒にいられない。
小学生の時はお互いの家で遊んだり、公園で鬼ごっこしたりできたのに。
すれ違い。
そう、俺と彩は小学生の頃とは違い。、すれ違ってばかりだ。
この事実は、俺を少しだけ、いや、かなり、悲しくさせる。
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1ヶ月後
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今日は朝から雨だった。
どんよりとした雲が空に立ち込めている。
同じクラスなのに、彼ー楓との距離は遠い。
彼はすぐにクラスの人気者になった。教室の隅っこがお似合いの私には、その輪に入る余地はない。
ああ、彼と少し離れてしまったな。と感じて、今の空のように、私の気持ちを曇らせる。
4時間目が終わると、昼休みだ。
楓はいつも、仲の良い友達とお昼を食べる。私は、ほどほどに仲の良いが友達と教室の隅っこでご飯にする。
しかし、楓はなぜか友達の誘いを断って、私の方へ来た。
「彩、一緒に食べよう。」
「え?」
思わずこえをあげてしまった。
周りの視線が痛い。
何で?と顔に書いてある。
楓は女子にも人気が高い。
何で?と思うのも無理はない。
「ほら、行くぞ。」
半ば強引に連れ去られる。
多くの視線を浴びながら、新喜劇のように教室を退場した。
「どういうつもり!?」
楓に連れられて、美術室や音楽室のあるC棟に来た。この辺りは教室から少し遠いので誰もいない。
「幼なじみと一緒に飯食ったらダメなの?」
真顔で返され言葉に詰まった。
仕方なく二人ならんでお弁当を広げる。
「遠足の時みたい。」
「え?」
「小学校の頃みたいじゃない?」
久しぶりに二人ならんで笑いあった。