4人の幼なじみ、再会の物語。
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目次
離ればなれのあなたへ#0
初!シリーズものです。
末長くよろしくです。m(._.)m
朝霧 楓(あさぎり かえで)
男 彩が好き。 南浜中出身
橘 彩(たちばな あや)
女 楓が好き。 南浜中出身
嶋田 大河(しまだ たいが)
男 悠里が好き。 公明中出身
藤堂 悠里(とうどう ゆうり)
女 大河が好き。 公明中出身
★ この4人は幼稚園、小学校までずっと一緒の幼なじみ。いつも4人ので遊んでいた。しかし、中学校に上がるタイミングで、大河と悠里は親に言われ、都会の私立中にを受験することに。楓と彩は地元の公立中に進学し、一度は離ればなれになってしまう4人だが...。
★楓、彩視点の話と、大河、悠里視点の話があります。(前書きに記載。)
頑張ります!
離ればなれのあなたへ#1
楓と彩視点。
桜が舞っている。
晴れ渡る青空の下、俺たちは新たな一歩を踏み出す。
慣れ親しんだ町が、今日は輝いて見えた。
【南浜中学校 入学式】
校門に掲げられた看板。未知の生活への期待。少しの不安と、ほどよい緊張感が、新入生を歓迎する。
「か~えで!」
背中に軽い衝撃が来る。
振り向かなくても誰かわかった。
「彩。」
真新しい制服に身を包んだ少女が、ニコッと笑った。
彩とは幼稚園から今までずっと同じクラスの幼なじみだ。家も近いため、その関係は途切れることなく、今でも続いている。
「クラス分け見た?」
隣にならび、当たり前のように歩き出す。
その肩は俺のよりも少し低いところにある。
小学生の時は変わらなかったのに、と、時の流れを改めて知った。
「一緒に見に行こう。」
彩は少し驚いたような顔をし、次に嬉しそうに頷いた。
彼女への明確な好意を自覚したのはいつだったか。
幼なじみを自分の手で守りたいと思ったのだ。
「反対から探そ。」
この中学校は1学年4クラス。
二人でそれぞれわかれて探すことにした。
「あっ。」
と声をあげたのは彩だった。
「一緒だ。」
嬉しそうに笑う姿を見て、俺はあらゆる神に感謝した。
---
待ちに待った中学校の入学式。
私はある幼なじみの男の子と待ち合わせをしている。
校門に立つ彼ー楓を見て、鼓動が早くなった。
「か~えで!」
彼がゆっくり振り返る。
「彩。」
少し低くなった声、少し高くなった背。
気恥ずかしくなってうつむきながら、自然に横にならんで歩く。
「クラス分け見た?」
彼はうんとも、いいえとも答えず、ただ「一緒に見に行こう。」
と言った。
待っててくれたんだ。と、分かって、嬉しくなった。
二人で名前を探す。
4組、あった。楓の名前。
あとは私の名前があれば...。
「あっ。」
その瞬間、彼と目があった。
「一緒だ。」
自然と笑みが浮かぶ。
彼も笑った。
この上なく幸せだった。
離ればなれのあなたへ#2
楓と彩視点
入学から一週間経った。
俺はバスケ部への入部を決め、彩は吹奏楽部へ入ったと聞いた。
新しい生活にも段々と慣れてきた。
新しい友達もでき、勉強も頑張っている。と、言えれば良いが、部活と勉強の両立は思ったほど簡単ではない。
彩ともなかなか一緒にいられない。
小学生の時はお互いの家で遊んだり、公園で鬼ごっこしたりできたのに。
すれ違い。
そう、俺と彩は小学生の頃とは違い。、すれ違ってばかりだ。
この事実は、俺を少しだけ、いや、かなり、悲しくさせる。
---
1ヶ月後
---
今日は朝から雨だった。
どんよりとした雲が空に立ち込めている。
同じクラスなのに、彼ー楓との距離は遠い。
彼はすぐにクラスの人気者になった。教室の隅っこがお似合いの私には、その輪に入る余地はない。
ああ、彼と少し離れてしまったな。と感じて、今の空のように、私の気持ちを曇らせる。
4時間目が終わると、昼休みだ。
楓はいつも、仲の良い友達とお昼を食べる。私は、ほどほどに仲の良いが友達と教室の隅っこでご飯にする。
しかし、楓はなぜか友達の誘いを断って、私の方へ来た。
「彩、一緒に食べよう。」
「え?」
思わずこえをあげてしまった。
周りの視線が痛い。
何で?と顔に書いてある。
楓は女子にも人気が高い。
何で?と思うのも無理はない。
「ほら、行くぞ。」
半ば強引に連れ去られる。
多くの視線を浴びながら、新喜劇のように教室を退場した。
「どういうつもり!?」
楓に連れられて、美術室や音楽室のあるC棟に来た。この辺りは教室から少し遠いので誰もいない。
「幼なじみと一緒に飯食ったらダメなの?」
真顔で返され言葉に詰まった。
仕方なく二人ならんでお弁当を広げる。
「遠足の時みたい。」
「え?」
「小学校の頃みたいじゃない?」
久しぶりに二人ならんで笑いあった。
離ればなれのあなたへ#3
2人並んでお弁当。
何だか懐かしいな。
「最近すれ違ってばっかりだったよね。」
「ああ。」
何だかちょっと素っ気無いけど、まあいいか。
「お互い部活もあるし。」
「ああ。」
やっぱり素っ気無くない?
「だからさ、」
えい!思い切って言っちゃえ!
「たまには、こうやって、ご飯食べたい、です。」
「えっ?」
緊張で頭は真っ白、顔は真っ赤。でも他に何て言えばいいの?
「何で敬語。ってか可愛い!」
楓が顔を覗き込んでくる。
慌てて下を向いた。
「えっ?」
もう耳たぶまで赤いかも。
顔を合わせられない。
「か、えでっ、近っ、近いよ。」
半分パニックになりながら、私は楓を押しのける。
「もうっ!昼休み終わっちゃうよ!」
---
「彩って子いるじゃん?」
移動教室の帰り、私は偶然噂話を聞いてしまった。
聞いたらだめだ。と思うのに、足は動かない。
「ああ、いるね。楓君と一緒に教室出ていった。」
「そうそう。あの子さぁ、ムカツクくない?」
震えが止まらない。
聞いていたくない。なのに動かない。
「あんな陰キャが楓君とどんな関係なのかな?」
「幼馴染らしいよ。」
「え〜、マジそういうのうっざ。『私は特別〜』的な?」
私は力無くへたり込んでしまった。
「実は見ちゃったんだけどさぁ、ふたりともかなりいい感じだった。」
「いい感じって、マジ?」
「マジマジ。今度見つけたら証拠撮っとくわ。」
アハハハハ〜。と響く笑い声。
駄目だ。心臓の鼓動が痛いほど脈打っている。
「陰キャが出しゃばんな。」
「大人しく本でも読んでろっつうの。」
このままじゃ駄目だ。
換えてにも迷惑がかかっちゃう。
私は乱れた服を直し、ノロノロと教室へ戻った。
昼休みの高揚感はどこかに吹き飛んでいた。
私は書いていてとてもイライラした。
今日からこの陰口ガールたちには、
『嫉妬ばっかしてるイタいヤツ』という名前をつけた。
By Yuu
離ればなれのあなたへ#4
傷つきたくない。傷つかせたくない。
あなたのために、すべきことを。
いたくないように。
やめて何て堂々と言えないから。
だれも傷つかないように、私が我慢すれば良い。
ウザい、不似合い、出しゃばんな。
頭の中でリフレインされる言葉。
それは精神的に私を追い詰めた。
家に帰っても、頭の片隅にはそれらの言葉があり、私の心を蝕んでいく。
このままでは楓にまで迷惑がかかってしまう。どこかのタイミングで、自然に彼と離れなくてはいけない。
私はそう決意して、眠りについた。
「おはよう、彩。」
肩を叩かれる。誰か振り向かなくても分かる。
「今日一緒に飯食おうぜ。」
ああ。と、彼の笑顔を見ながら思う。終わりにしなきゃと思うのに、心がズキズキとする。
「か、えで。」
声がかすれる。
ウザい、不似合い、出しゃばんな。
まただ。と思う。
周りの視線が、あの言葉が、私の心を痛めつける。
「?」
とまったままの私に、彼が首を傾げる。
「ごめん。今日は無理。」
返事すら聞かず、私はダッシュで逃げる。
楓からも、あの言葉からも、弱い自分からも。
さようなら。
絶対泣くものかと、唇を噛み締めた。
楓、いままでありがとう。
本当はそんなこと思っていないけど。
これからもずっと一緒だと思っていたけれど。
楓、好きです。あなたに支えられてここまでこれた。『あのこと』からも立ち直れた。
これからは、一人で生きていかなきゃ。
私はきっとこれからも、彼のことが好きなんだろう。
離ればなれのあなたへ#5
第5回を記念して、過去を掘り下げていく回ですよ〜。
良ければファンレタっ🤛
失礼しました。m(_ _)m
遠い昔の記憶。今となってはおぼろげでしか無いが、私の宝物。
かけがえない友人との、大切な、大切な記憶。
---
「あーやっ、遊ぼうよ!」
幼馴染の一人である悠里が、スコップを片手に駆けてくる。
私よりも先に集まっていた楓と大河が手を振っている。
「うんっ。」
私もその輪の中に入り、砂場で遊ぶ。
幼稚園生だった頃は、よく4人で遊んでいた。小学生になっても遊んでいたけど、周りの目が気になってくる年頃だったのだろう。結局幼稚園生時代が、一番遊んだ時期なのではないだろうか。
悠里と、楓と、大河は私の大切な存在だ。お泊り会だってしたし、小学校の修学旅行も同じ班で、ずっと一緒だった。
そして、これからも変わらないと思っていた。なんの根拠もなく。
子供は大人に抗えない。
子どもの気持ちは、大人からしたら甘えに過ぎず、踏みにじまれる。
「ママとパパが、」
「私立の学校行けって。」
悠里と大河。2人は地元の公立中ではなく、都会の方の私立中を受験するということだった。
唐突に告げられた別れ。仲良く繋いでいた手をいきなり振りほどかれたかのような、驚きと戸惑い。
4人で泣いた。お互いの背中を擦り合い、ずっと泣いていた。
それからも4人で過ごしはしていたけれど、これまで通りの安寧はどこにもなかった。
一緒にいると、離れられなくなる。
悠里や大河とは、いつの間にか疎遠になってしまった。
でも楓は、呆れずに側にいてくれた。
「彩には俺がいるだろ。」
今思えば、彼はあの頃からもうカッコよかった。
少しの気遣いと、優しさは、私の冷めきった心を温めてくれる。
彼といると、不思議と幸せな気持ちになれた。
卒業式当日、私は久しぶりに悠里や大河と話した。
楓は私の隣で見守ってくれていた。
「また、どこかで会えるよ。」
またすこし泣いたけど、あまり寂しくはなかった。
あの頃は思いもしなかったが、私達の距離はそこまで開いていなかったのだ。
休日に電車を乗り継いでいけば、会えない距離ではなかった。
今となっては世界の果てにいるかのように感じてしまうけれど。
---
私には楓がいた。
隣にはほとんどと言ってもいいほど楓がいてくれた。
これからも一緒が良かったけれど。
私は気持ちに蓋をして、さらにカギをかける。
頬に一筋の涙が伝っていった。
【番外編2】離ればなれのあなたへ
楓「お正月だぜ!!」
彩「テンション高いね。」
楓「だってお正月だぜ?お年玉に、初詣に…」
彩「大河や悠里も一緒に楽しめたら良かったのにね…」
楓「彩…」
すみません。ちょっと暗くなったけど、
『番外編、お正月スペシャル、START!!』
---
「お〜はよ!彩。」
後ろから肩を叩かれる。驚かさないように彼なりの優しさなのだと知る。
「おはよ。」
「待った?」
「ううん。いま来たとこだから。」
そんな会話さえ、愛おしく思えて、そっと心のシャッターを切った。
「早く行こーぜ!」
楓は人混みの中をずんずん進んでいく。
つかず、離れず。程々の曖昧な距離。それが私達の関係をそのまま表している。今年は、今年こそは、彼ともっと親密になりたかった。
今日が楽しみすぎて寝れなかったことも、予定より30分も早く起きて、早めに準備を済ませたことだって。彼の前で冗談めかして言えたなら。
参拝客は列をなして進んでいく。
いつも寂れている神社が活気に溢れている。
「何お願いした?」
「えっとねー…」
恋人たちが手を繋いで駆けていく。
私達もあんなふうに慣れたなら…
きちんとお賽銭をし、手を合わせる。
彼との関係に進展がありますように。
私はそう願いながら、チラと隣を覗き見た。
彼は真剣に目を閉じている。
彼のことだから、部活とか勉強のお願いをしているのだろう。
「何お願いしたの?真剣にしてたけど。」
「ああ、俺?部活…かな…」
やっぱりと思う反面、少し虚しくもあった。
「彩は?」
「私は勉強かなー?」
言えない。口が裂けても言えない。
楓との関係に進展がありますようになんて。
「そっか。」
彼が横を向く。少し残念そうにしているのは気のせい?
---
それから私達はおみくじの列に並んだ。
待ち時間すらも愛おしく思える。
あっという間に引く番となり、いっせーの!でおみくじを引いた。
「あっ!大吉!!」
「マジかよ!俺吉だ。」
「願い事に進展あり。だって!」
マジか、と思った。願い事に進展か…
「楓のには何て書いてあるの?」
赤くなりかけた顔を無理やり上げて、楓のおみくじを覗き込む。
「俺のには…」
---
以上です。
『え?なんて書いてあったの?』
と思います?
気になる続きは本編で!となりますかね。
これからも『離ればなれのあなたへ』をよろしくです!
楓「それじゃ。」
彩「ここまで読んでくれてありがとう!」
一同「さよーならー!」
【番外編】離ればなれのあなたへ
大河「おはようございます!」
悠里「おはよー!」
大河「お初お目にかかります大河と、」
悠里「ゆうりでーす!」
『今回はまだ登場していない2人に来てもらいました!』
悠里「今回の番外編は〜」
大河「【受験奮闘記】です!」
『大晦日は関係ないですが…どうぞ!!』
---
「悠里ー、降りてきて〜!」
自分の部屋にこもっていると、一階から母の声が聞こえた。「はーい!」と大きな声で返事をした。
「悠里、実はね…」
母の口から告げられた衝撃的な言葉。それは曖昧な形で、現実味が無くて、ただ良くないことなのは分かった。
「シリツノチュウガッコウヲジュケンスルノ。」
「待って、どういうこと?」
「そのまんまの意味よ。都会の私立中に行くの。」
私がその言葉の意味を理解するのに、かなりの時間を要した。
「え?でも友達とか…」
「前々から思っていたのよ。悠里にはもっとふさわしい子のほうが良いって!」
母は嬉しそうに言うけれど、私にとっては破滅を意味する。母はわからないのだろうか、私がこんなに嫌な顔をしているのことを。
まぁ、分かっていたことだけど、私の意見なんて…(以下略)
せめてもの救いは、幼馴染の一人、大河が同じ私立中を受験することだった。
「良かった、悠里がいるなら。」
「うん…」
大河は割り切っているみたいだけど、私は他の幼馴染と離れたくないし…でも、逆らえない。
それれからは勉強の毎日だった。正確に言うと、勉強と泣かれる毎日、かな…
幼馴染の彩に泣かれ、楓がそれをなだめ、大河と私は苦笑する。
親に言われただただ過ごす毎日。
受験当日になっても、現実味がなかった。
結果発表で名前があったときもそれは変わらず、本当に抜け殻のようだった。
大河も合格したと聞いて、そのときだけは嬉しかったけど…
---
『これが受験奮闘記、もとい抜け殻記。』
大河「なんか出番少なかった気が…」
一同『読んでくれて、ありがとうございましたm(_ _)m』