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離ればなれのあなたへ#3
2人並んでお弁当。
何だか懐かしいな。
「最近すれ違ってばっかりだったよね。」
「ああ。」
何だかちょっと素っ気無いけど、まあいいか。
「お互い部活もあるし。」
「ああ。」
やっぱり素っ気無くない?
「だからさ、」
えい!思い切って言っちゃえ!
「たまには、こうやって、ご飯食べたい、です。」
「えっ?」
緊張で頭は真っ白、顔は真っ赤。でも他に何て言えばいいの?
「何で敬語。ってか可愛い!」
楓が顔を覗き込んでくる。
慌てて下を向いた。
「えっ?」
もう耳たぶまで赤いかも。
顔を合わせられない。
「か、えでっ、近っ、近いよ。」
半分パニックになりながら、私は楓を押しのける。
「もうっ!昼休み終わっちゃうよ!」
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「彩って子いるじゃん?」
移動教室の帰り、私は偶然噂話を聞いてしまった。
聞いたらだめだ。と思うのに、足は動かない。
「ああ、いるね。楓君と一緒に教室出ていった。」
「そうそう。あの子さぁ、ムカツクくない?」
震えが止まらない。
聞いていたくない。なのに動かない。
「あんな陰キャが楓君とどんな関係なのかな?」
「幼馴染らしいよ。」
「え〜、マジそういうのうっざ。『私は特別〜』的な?」
私は力無くへたり込んでしまった。
「実は見ちゃったんだけどさぁ、ふたりともかなりいい感じだった。」
「いい感じって、マジ?」
「マジマジ。今度見つけたら証拠撮っとくわ。」
アハハハハ〜。と響く笑い声。
駄目だ。心臓の鼓動が痛いほど脈打っている。
「陰キャが出しゃばんな。」
「大人しく本でも読んでろっつうの。」
このままじゃ駄目だ。
換えてにも迷惑がかかっちゃう。
私は乱れた服を直し、ノロノロと教室へ戻った。
昼休みの高揚感はどこかに吹き飛んでいた。
私は書いていてとてもイライラした。
今日からこの陰口ガールたちには、
『嫉妬ばっかしてるイタいヤツ』という名前をつけた。
By Yuu