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離ればなれのあなたへ#4
傷つきたくない。傷つかせたくない。
あなたのために、すべきことを。
いたくないように。
やめて何て堂々と言えないから。
だれも傷つかないように、私が我慢すれば良い。
ウザい、不似合い、出しゃばんな。
頭の中でリフレインされる言葉。
それは精神的に私を追い詰めた。
家に帰っても、頭の片隅にはそれらの言葉があり、私の心を蝕んでいく。
このままでは楓にまで迷惑がかかってしまう。どこかのタイミングで、自然に彼と離れなくてはいけない。
私はそう決意して、眠りについた。
「おはよう、彩。」
肩を叩かれる。誰か振り向かなくても分かる。
「今日一緒に飯食おうぜ。」
ああ。と、彼の笑顔を見ながら思う。終わりにしなきゃと思うのに、心がズキズキとする。
「か、えで。」
声がかすれる。
ウザい、不似合い、出しゃばんな。
まただ。と思う。
周りの視線が、あの言葉が、私の心を痛めつける。
「?」
とまったままの私に、彼が首を傾げる。
「ごめん。今日は無理。」
返事すら聞かず、私はダッシュで逃げる。
楓からも、あの言葉からも、弱い自分からも。
さようなら。
絶対泣くものかと、唇を噛み締めた。
楓、いままでありがとう。
本当はそんなこと思っていないけど。
これからもずっと一緒だと思っていたけれど。
楓、好きです。あなたに支えられてここまでこれた。『あのこと』からも立ち直れた。
これからは、一人で生きていかなきゃ。
私はきっとこれからも、彼のことが好きなんだろう。