公開中
14
夕方 人間界に帰る途中
ゆらは丘の方へ行った
丘は思い出があるから
『ゆら あなたの名前はゆらよ 妖精の妖奈ゆら』
お母さんがそう言った
お母さんはどこにいるかは分からないけど生まれたーーー思い出の場所としては確かだった
「ここだ」
高い丘
見渡すと幻想郷全体が見えた
博麗神社も白玉楼も あ、あそこには紅魔館もある
「・・・・・そろそろお別れ・・かぁ」
私の存在が2人以上ばれてしまうと 満月の夜 飛んで・・・満月の一部となる
それが代々の伝説妖精の決まり・・だった
「長いようで短かったなぁ・・・」
明日が満月
私は明日消える
そんなことを思ってたら
「ゆら!」
「ゆらさん・・・?」
そこに居たのは
秘密を知ってる2人・・・ フランドールスカーレットと魂魄妖夢が居た
「フランちゃん・・妖夢ちゃん」
「帰っていたんですね」「久しぶりだね!」
「・・・・そうですね」
二人以上・・・そう その秘密を知ってる二人がこの二人だ
「ねぇ聞いて~最近、霊夢が『野花』とか言ってるんだよね~なんでだろ」
フランの言葉を聞いてゆらの表情が曇る
「そう・・・なんですね~」
「・・・大丈夫ですか?何か嫌なことがありましたか・・?」
妖夢が心配してくれてる
「ちょっとだけ・・・」
フランも笑顔から心配そうな表情になって尋ねた
「ゆっくりでいいから話してる?ゆらの助けになりたいんだ」
「フランちゃん 妖夢ちゃん・・・・・」
少し間を開けて 喋った
「実は霊夢さんと魔理沙さんに正体がバレそうになって・・・」
「え」
「私『野花』という偽名と強い妖怪という設定で居たんですけど」
「うん」
「二人がピンチになる時・・3回かな 妖精の伝説級の能力を使ってしまって・・」
「なんか、優しいゆらさんらしいですね」
「ふふ ありがとう・・・ それでバレそうになって2回は回避したけど」
「そうなんだ」
「3回目はさすがに無理だと感じて、人間界に逃げたんです」
「そして1ヶ月帰ってきていまこの状況です」
「そうなんですね」「大変だったね」
二人は心配してくれてる ホントに優しい・・・大親友
別れちゃうなんて悲しい
「ホントにありがとうございました」
「お別れみたいに言わないでよ~」
「そ、そうですよ!これからも大親友ですから」
「ありがとう・・・ございますっ」
涙が出た
あれ?生まれてから初めての涙じゃない?
「わわっ!?これ、私のせいですか!?」「フランのせいなの!?泣かせちゃった・・」
「違うよ二人とも 嬉しいんだ」
「そうですか 良かったです」「良かった~」
二人は微笑んだ
それからしばらくして
私は こう言った
「あの 伝言を届けてほしいんです」
わがままでごめんなさい
でも、最後の時 妖夢ちゃんとフランちゃんはもちろん
霊夢さんと魔理沙さんにも・・・伝えたかった
会うのもいいけど 全部バレるのやだし もういいや
「いいですよ!もちろん私たちが届けます!」
「フランもお手伝いする~!」
「あ、ありがとうございます!」
優しくしてくれて嬉しい
ありがとう・・・二人
「ゆらさんが言いたいこと伝えたかった事・・言ってください」
「全部フランと妖夢が伝言しちゃうんだから!」
「はい!」
「では また会いましょうね 一緒にお茶会でもしましょう」
「また会えたら 一緒にいっぱーーい遊ぼうね」
「・・・・・・・うん!」
初めて敬語が抜けた気がする
二人には・・・みんなに申し訳ないけど私は消えなきゃダメだから
「バイバイ!!さよな・・・またね!!」
ちゃんと言えた
「ゆらが敬語無しだぁ!うん!またね~」
「はい!またねです!」
そう言って二人は去った
二人の背中を見送った後
夜空を見上げた 明日が 満月です