公開中
Those crazy people 頭のおかしいやつら2
陳腐な言い方だけれど、焼けるような夏だった。夏は私を苛々させ、憂鬱にした。
私は薄いシーツ1枚を張った粗末な寝台に横たわっていた。骨組みは細く、本当の骨のように白茶けていた。私はこの寝台がとても気に入った。
低いサイドテーブルの上の水差しに羽虫が落ち、死んで浮かんでいた。彼は広大なプールの上で、ゆっくりと自らの羽や体液を溶かしていた。
そんな水など飲みたくもない。私は滑り落ちてくる汗を舐めた。汗は塩水の味がした。
開け放った窓の外から、ミハエルの声がしていた。他の何人かの子供の声もした。彼らはこの暑さの中、庭でサッカーをしているのだ。数十分後、あるいは数時間ののち、彼らが疲れて家の中に入ってきたら、私は彼ら全員に氷とアイスを振る舞わなければならないだろう。それはかまわないけれど、もし庭に植わった花々がひとつでも折れたり潰れたりしていれば、犯人の子の耳をひっ掴んでその子の家まで引きずり、出てきた親に苦情を言いつけてやろうと決めた。二度とうちでサッカーなんかやりたくなくなるほどに。
ほらこっちにパス、とミハエルが叫んでいるような気がするが、定かではない。ミハエルは同年代の子供の中では王様的立ち位置にいるそうだ。あの生意気なひょろっ子が。もし私がミハエルのシャツをまくって下にある傷を見せたら、彼に従わされている子たちは何と言うだろう。
彼らの声がふいに止んだので、私は起き上がり、リビングへと降りて行った。メロの姿はなく、そういえば今朝からガレージに彼のバイクもなかったので、どこかへ出かけているのだろう。
私は棚からプラスチックのコップを取り出し、色が濃いものから淡いものへと順に並べた。そして、それらひとつひとつに氷を5個ずつ入れ、棒アイスを1本ずつ挿して、子供たちが入ってくるのを待った。
ところが、ドアを開けて入ってきたのは、ミハエル一人だった。彼はサッカーボールを脇に抱え、私を上目遣いに見上げた。
「他の子は?」
私が尋ねると、ミハエルはボールを床に置きながら答えた。
「帰したよ。アイスをみんなで分けるのはもったいないと思ったから」
その答えに、私はとんでもなくミハエルをいとおしいと思った。この馬鹿な子供が、はじめて私の前で何かを裏切り、反抗して見せたような気がした。
何に対して反抗したのかは分からなかったけれど、そんなことはどうでもよかった。私はミハエルにシャワーを浴びさせ、彼の細っこい身体を隅々まで洗った。清潔なタオルでよく拭くと、私がつけた傷のひとつひとつにキスの雨を降らせた。ミハエルはくすぐったげに私の頭を抱きかかえ、ときおり絞るような笑い声をあげた。
それから私たちは、リビングでほとんど溶けた氷とアイスを二人占めした。