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#1 幼馴染
「京治、ボトル。……はい、これ」
「……ああ、。……ありがと」
梟谷学園の体育館。練習の合間、マネージャー・#苗字##名前#が差し出したボトルを、
赤葦京治は一瞬だけ視線を泳がせてから受け取った。
「おっ、#名前#ー!俺のボトルは!?」
「木兎さんはあっち。白福先輩が持ってるから早く行ってください」
「ヘイヘイ……!相変わらず赤葦には過保護なんだからなー!」
バサバサと騒がしく去っていくエースの後ろ姿を見送って、#名前#は小さく息をつく。
赤葦は無言でスポーツドリンクを口に含んでいるけれど、耳の付け根がほんのり赤い。
「……京治、まだ気にしてるの?」
「……何を」
「さっき、雀田先輩に言われたこと。私たちが保育園のとき、
おままごとで『ずっと一緒にいようね』って毎日結婚の約束してた話」
「……っ、ごほっ!」
赤葦が派手にむせた。
無表情な司令塔がここまで動揺するのは、世界で#名前#の前だけだ。
「……あれは、その、幼少期の判断能力が欠如していた頃のでしょ…」
「私は別にいいけど。あの頃は、京治が私のこと大好きだったもんね」
「__………。今だって、__」
ボソッと、赤葦が消え入りそうな声で呟いた。
「え、何?」
「……何でもない。戻るよ」
逃げるようにコートへ戻っていく赤葦の背中を、
#名前#は少しだけ切ない、でも大好きな気持ちを込めて見つめる。
「ほぼ付き合ってる」なんて言われていたのは、もう十数年も前のこと。
今はまだ「幼馴染」で「マネージャー」だけど、
いつかあの頃の約束を「黒歴史」じゃなくしてやるんだから。
そんな#名前#の視線に気づいているのかいないのか、
赤葦はいつもより少しだけ精度の高いトスを、木兎に向けて上げていた。
赤葦の口調迷子すぎる