公開中
#0 Prologue
その場所にはいつも、高く澄んだ音が響いていた。
バレーボールが床を叩く乾いた音、シューズが擦れる鋭い音、
そして、誰よりも高く跳ぶエースを呼ぶ「セッター」の声。
東京の強豪、|梟谷学園高校《ふくろうだにがくえんこうこう》。
その体育館の入り口で、一人の少女が足を止める。
彼女の名前は、#苗字##名前#。
彼女の視線の先には、いつも一人の少年がいた。
幼い頃、泥だらけの手で彼女の涙を拭い、
「ずっと守ってあげる」と鼻声を震わせて笑った少年。
今や、冷静沈着な司令塔としてチームを操る|赤葦京治《あかあしけいじ》だ。
幼馴染という近すぎる距離が、二人の間に透明な壁を作っていた。
伝えたい言葉は、いつも喉の奥でバレーボールのように弾けては消えていく。
「……今日こそ、言えるかな」
手に持ったスコアノートをぎゅっと抱きしめ、
彼女は一歩、踏み出す。
それは、病魔という影が忍び寄っていることも、
親友がとんでもない爆弾を仕掛けていることもまだ知らない、
純粋で真っ直ぐな「恋」の始まりだった。
---
---
---
next⇨🏐🦉
サブ小説なので登校頻度すくなめ