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6-10「人間とヒト」
No side
グラム「お嬢!」
レイラ「っ、グラム……!?」
ルイスの銃撃を全て大剣で凪ぎ払い、グラムはボロボロになったレイラに駆け寄る。
グラム「何が“問題ない”だよ! 一体アンタ、何回殺されて──っ」
レイラ「全く、貴方に横浜のこと任せたのじゃない…莫迦……」
ルイス「……邪魔だなぁ」
アーサー「駄目だよ、ルイス。それは君の想いに反している」
エマ「本気の殺し合いより、力は仲間を守るために使うもの。そう教えてくれたのはルイスだよ」
ルイス「──ハハッ」
カキン、と金属音が響き渡る。
風圧から庇うようにグラムがレイラに覆い被さる。
ルイス「幾度もの戦場を越えた後輩と戦うなんて、本当に夢みたいだ……!」
エマ「……アーサー」
アーサー「あぁ、僕も同じことを思ってるよ」
「「ルイスはあんなことを云わない」」
エマ「ホント、軍では先輩だけどやっぱり年下だね」
アーサー「人生の先輩として、少し本気で怒ってあげようか。大人はたった一つの感情に振り回されちゃいけない、と」
ルイス「あんなことを云わない? 振り回されてる? ははっ、冗談はやめてよ! ……笑えないからさ」
アーサー「冗談じゃないよ、勿論。君は誰よりも大切なものを守ろうとする、素敵な人間さ」
ルイス「僕はヒトだ。君達の常識に当てはまる人間じゃない」
アーサー「……久しぶりに聞いたよ、それ」
エマ「貴女はルイス・キャロル! この世界でたった一人しかいない、私達の仲間だよ……っ」
ルイス「……悪いけど、邪魔するなら殺すよ。君達も、奥の人間も、レイラも」
殺害宣言にしては、殺意が宿っていない。
純粋な感情故に、長年戦場に立ってきた者でも殺意と認識できなかったのだ。
ルイス達から遠く離れた倫敦市街。
そこにいる者も、空気が変わったとしか感じられない。
それほどまで純粋で、異常な殺意。
レイラ「……道を開けなさい、英国軍から逃げた狂人たち」
ザッ、と立ち上がったレイラが一歩踏み出す。
レイラ「何度も死んで冷静になったわ。今のルイス・キャロルは戦いを望んでいる。だから世界をやり直すとかは止めて、目の前のヒトを殺すわ」
アーサー「そんなことっ、させるわけがないだろ!」
レイラ「なら聞くけれど、たった一つしか無いその命でアレと殺り合うつもり?」
エマ「邪魔なら私達から殺せば良いでしょ。ロリーナと同じように使役すればいい」
グラム「そんなに死にたいなら俺が──!」
レイラ「グラム」
グラム「……チッ」
エマ「なぁに? 殺さないわけ?」
レイラ「優先事項を考えただけよ。それにあの時とは違って貴方達のことを評価してるの」
アーサー「それはありがたいね。でも、ルイスは殺させないよ」
レイラ「不死者には不死者の戦い方ってものがあるの。20数年しか生きてない子供が、口を出さないでちょうだい」
それに、とレイラは何か言おうとして口を噤んだ。
頭を振って言葉を掻き消す。
レイラ「グラム、私でも扱える剣をお願いするわ」
グラム「……へいへい」
レイラ「ついでに直哉──は、斬られてるんだったわね。シャムスは今どうなっていたかしら……」
???『移動手段を求めてるのかしら?』