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6-9「今、出来ることは」
No side
場所は変わり、ワンダーランドにて。
ヴィルヘルム「──マズいな。非常にマズい状況になった」
乱歩「詳しい説明早くして」
ヴィルヘルム「ルイス・キャロルが“戦神”と呼ばれるようになるまでに付けられた“化物”や“怪物”は、あの状態から来ている」
乱歩「あー、やっぱり詳しくなくて良い」
ヴィルヘルム「……感情を持たぬ子供が初めて目覚めたのは“狂気”。抑え込まれていた筈のものが、何故か表に出ている」
乱歩「止める方法は?」
ヴィルヘルム「無い」
乱歩「即答しないでほしかった」
ヴィルヘルム「貴様こそ何か無いのか」
乱歩「あるわけないでしょ!? 僕は名探偵で精神科医じゃないんだ…けど……」
どうした、とヴィルヘルムは頭を押さえていた手を外す。
乱歩「当時、どうやって制御してたの」
ヴィルヘルム「……知らないな」
乱歩「全く役立たないね」
ヴィルヘルム「反論するつもりはない。だがストレスのように狂気を発散させるしか──」
???『その話、僕達に詳しく教えてくれないかな』
ヴィルヘルム「……断る。貴様らの担当はグラムだ」
???『でも私達はルイスの後輩で、仲間なんだけど。ヨコハマの方はまだ時間に余裕がある』
乱歩「止めれる確信は?」
二人は顔を見合わせて、真っすぐ乱歩を見つめた。
???『無いね』
???『正直、0.1%もないんじゃないかな』
ヴィルヘルム「それでよく声を上げたな。アーサー・ラッカム、エマ・マッキーン」
アーサー『目の前の敵よりも、僕は仲間を優先したい。というか、英国軍じゃないんでグリムさんの指示に従う必要ないですよね?』
エマ『それな〜』
ヴィルヘルムはため息を吐きながら、横浜を映す鏡を見る。
エマ「てことだからさぁ、休戦しない?」
アーサー「……君にも聞こえるようにしてたから、状況は把握できているね。大切なものを失うのは──君も嫌だろう」
グラム「──クソッ」
アーサー「僕はアリスに止めてもらった恩を返さないとだし。テニエルも、それで大丈夫かい?」
テニエル「し、暫く倒れていても良いなら……」
エマ「うんうん。ゆっくり休んでね〜」
中也「……俺たちはどうする」
太宰「まぁ、とりあえず待機で良いんじゃない?」
テニエルが指を鳴らすと、地面に穴が開く。
グラムは少し葛藤があったものの、意外と早く飛び込んだ。
続いてアーサーとエマも落ちていく。
出口は英国倫敦の或る通り。
戦場から少し離れた、公園だった。