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第十二話 あと一日
結構話数ありますが、初めての前から読むことをおすすめします。
隕石が降ってくる日まで、あと1日、、、いやもう二十四時間もない。
私はリルファさんと話し、お祭りを堪能してすっかり夜になった頃、アカネと宿屋に帰る途中、恋バナによって生気が失われていたがその事実を思い出す。
(アカネは明日、私が失敗したら人類が滅亡するかもって知らないんだ。)
そんな私の脳内とは裏腹に、彼女は呑気に鼻歌を歌いながら歩いていた。
立ち止まってしまった私を見て、心配したように声をかけてくる。
「どうしたの?シルヴィア。あ、まさか恋の病、、、?」
「んなわけないって、、、、。」
せっかく恋バナから離れて生気が戻ってきた予感がする、というのにまた生気が空の彼方へ飛んでいった気がする。
(あ~夕焼けの空はキレイダナ~、、、じゃなくて。うん。)
そうこうしてるうちに宿屋に着いてしまう。
部屋に入り、多分転生する前は本気で考えていなかったことを口にする。
「ねぇアカネ。もしも、さ。もしもだけど、明日私のミスのせいでアカネが死んじゃったり、この世界が終わるとしたら、、、どうする?」
数秒おき、アカネの口が動く。
「どうしたの!?急に。まぁ一応答えるけどね。うーん、別にシルヴィアが一生懸命やって、最善を尽くしてミスをしちゃったならしょうがないかもしれないね。そんなスケールじゃないんだろうけど。でもここは日本とは違って強さが生存率に直結するからさ。私みたいな弱い人間はどうせすぐいなくなるんだから変わんないと思うけどね。」
(アカネにしてはめずらしいな。いつも明るいのに。まぁでも死ぬっていうのはアカネも一回経験してこっちの世界にやって来た、っていうことだから真剣に考えるのかな。)
「明日、何があるのかは知らない、知ってはいけないんだろうけどさ。私は、同じ転生者であるシルヴィアを信じてるよ。私にはきっとできないことなんだろうけど。、、、精一杯、私なりに生きるから。シルヴィアも、、、生きて。」
そう言って「じゃぁもう寝るね。」と布団に潜り込んだ彼女の表情はわからなかったけれど、声が震えていた。
(何があるのか、分かってるのかな。でもありがとう、アカネ。私も、私なりに生きるから。)
「おやすみ。」
声をかけ、私も布団へ。
そして頭の中で流れを確認する。
(まず、明日は昼に隕石が降ってくる予定。隕石が降ってきたら7国の王達に転移魔法を使って、あらかじめ創っておいたライゼティアのコピーに隕石を転送。一カ所にまとめられたらまとめて、消す。このとき最後に一番大きいのが来るから、それは私の特殊能力で壊すんだよね。、、、もしこれに失敗して、1人でも7国の王達に死者が出たら、、、。ライゼティアのコピーは創った人が死ぬと崩壊するから、コピーが壊れたら隕石はライゼティアへ、それで人類滅亡。かといって魔力がなくなってコピーを保ちきれなくなってもダメ。
考えたけれど、結構難しい。、、、違う。絶望しちゃダメだ。生きろ、そう生きることだけを考えるんだ。最悪、カシムの過去干渉を使えばいいし、生き残れる手段はある。)
そして、小さく呟く。
「生きるよ、私は。」
気が付いたら朝だった。いつの間にか寝ていた。
顔を洗う。身支度をする。宿屋の人に挨拶する。朝ご飯を食べる。寝坊したアカネを起こす。
そして、**その時**はやってくる。
「運命を決めるのは私達だ。決まってるプロットどうりに生きるんじゃない。拓くんだ、運命を。」
ゲームとかでよくある決め台詞を吐き、飛行魔法で上空へ。
作戦決行の場所は風雅の上空。
隣をみると、不敵に笑う翡翠がいて、いつにも増して真面目な顔のカシムがいて、芯のある笑顔を浮かべるリルファさんがいて、他にも4人の王達がいる。
下にいる人達を守るためにここにいる。日常を続けるために今がある。
思う。
(あぁ私、最高に主人公だ。)
遥か上空影が見える。もう決戦の時はすぐそこだった。
もうちょいで完結です