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ゴミだらけの街で #9
さかな
「ほら、ここ。 私の家ね。」
Yは、少し顔をしかめた。
LはそんなYの顔を見て、一つため息を吐いて、少しイラッとしたように言う。
「そんな見た目だけでもそんな顔すんなら帰ってもいいけど…家の中もっと汚いし。」
Yは少し気まずそうにゆっくり口を開く。
「あの…ここの家、どっかで見たような…、この前にいた人とか、覚えてない?」
「…覚えてない。 私が来た時から10年は経ってるし…来たときの蜘蛛の巣とかホコリとか、飾られてるものを見て思っただけだけど。」
「そっか…まぁ、そんなに重要なものじゃないかも。 これも記憶消されてるだけかな…」
Yが(また忘れちゃった…)と不安そうな顔をして、Lから目線をそらす。
そうするとLはそんなこと気にしてなさそうに、Yの手を掴んだ。
「ほら、行こ。 今はPの場所探さないとでしょ?」
YはLの方にグルっと視線を動かし、「そうだね。」と返事をする。
かなり古い家なので、扉を開けようとすると『キイィイィ……』といったような音が耳に響く。
バナナの皮のような匂いが鼻をすっとすぎる。それに気づかないのか、そのまま進んでいくLに体を引っ張られたようについて行く。
家の中の道は人が歩くところだけものがどかされているが、それでも足にくっついた泥のようなものが床にくっついていて、…言っちゃだめだと思うが、とても汚い。
そうすると、Lがゴミを漁り始め、ポイポイと違うものを投げてきたので、Yは必死にこれ以上は汚くさせないように、腕で受け止める。
「ねぇ、Y。 人間に危害を加える用に作られたロボットなんでしょ?…なんか武器とかないの?」
「えぇっ…一応できるっちゃできるけどさぁ…、バッテリーを大きく消費しちゃうから…今使ったらやばいかも。」
Yがそう言い、Lが少し迷ってから、
「ん〜、ならいいかな。」
と言う。 Yはどんなのに使うのかが気になったが、Lが何かを見つけたようにしたので、話すのをやめた。
「これ…ノクターン王国じゃない?」
Lがこちらを振り返りながらそう話し、グシャグシャになっている半分に破られた世界地図のようなものを片手に持っていた。
「本当!?もうちょっと見せて!」
YがLの持っている紙の方にぐいっと顔を近づけて、紙を掴む。
そうするとむむっとした顔でこちらを見てきて、
「ノクターン王国…ってどこ? …文字を読む機能、読み込まれてなくって。」
と言った。 Lはため息を付きながら、「ここ。」と、”ノクターン王国”と書かれた場所を指差すと、今度は自分たちのいるところについてYが聞き始めたので、さっきのように教えた。
そうするとYが、
「こんぐらいの距離なら、俺の自慢の羽で飛べるよ。 バッテリーが少なくなるのは事実だけど…」
「そう?…んならお願いしたい。 できる?…体重とか。」
「そんなそんな、女の子にそんなこと言うなんて…、楽勝だよ楽勝。 …ほら、乗ってみて。」
といい、Yはさっきまで持っていたゴミを床に投げ、おんぶするような体制をし、手をおいでおいで、と動かしながらこちらを微笑む。
「こっこれで…重いとか言ったら…あんたの腕引っこ抜いて売るから…」
「ははっ!大丈夫だよ全然。 ほら、乗り方は分かる?」
「わっ分かるってば!」
よっこいしょ…と、Yの肩の上にLが乗っかる。
「ちょっと…、すぐ降ろし…」
「わぁ!全然いけるよ! バッテリーもそんな減ってないし!…これなら一時間ぐらいで3%ぐらいしか失わなくてすむかも!」
「そう…、ならもう降ろしてくんない?」
ちょっとだけ顔を赤くしているLに気付かずに、そのまま「はぁい。」と返事をしてLをゆっくりと降ろす。
「ねぇ、いつぐらいに出発すんの?」
「今日には行きたいな… 君、カメラ持ってたでしょ?…カメラでさ…記念撮影とか…したくって…」
子犬のようにモジモジとして、Yが話しかける。 そして、さっきとは全く立場が変わったかのようにLはニヤリとして、「いいね。」と言いながらカメラを持ってきた。
「他にも持ってくるものない?」
「あったとしても…君はもってないでしょ?」
「ふふっ…まぁね。」
最初の頃より、ずっと仲良くなった二人は、一緒に色々準備したり、どうやって行くかなどの道を何度も確認しながら、玄関を出た。
さっき、Lの家に行ったときよりもほんのり空が明るく、そして二人の気持ちも晴れていた。
ここから先、どうなるのだろうか___