編集者:さかな
セリュナという国のゴミだらけの街に住んでいる少女と、その国の中の唯一のロボット達の暮らしを小説にしました。
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目次
ゴミだらけの街で #1
ここはセリュナという小さな国にある、ルミアスという街。
そこら辺にはすっとビルや街頭がたっている。
夜遅いからか、人はあまりいない。
いるとしたら…酒臭そうな酔っぱらいのおじさんと、夜勤明けのサラリーマンが汗を流しながら歩く姿。
「お〜い、そこの女〜?」
誰かもわからない男が話しかけてきた。
口調はヘラヘラしている。 酔っぱらいだろうか。
私は相手のことを少しも見ずに、歩き出した。
「ねぇねぇ、無視すんなよ〜、おい」
肩をぶつけてきた。 流石にイラはついたので、言い返す。
「…なんなんですか。」
「おお〜、話してくれんじゃんw」
振り返った先には、スーツを着た十円ハゲのおっさんが顔を赤くしていた。
とても酒の匂いが強く、鼻をふさぐほどだった。
「どいてください…」
私がそう言うと、おっさんは「わはは!」と笑いながら地面に落ちている石を私に投げつけてくる。
投げてきた鋭い石が、私の薄い服にめり込み、ちょっと切れる。
「どうしよもない酔っぱらいですね…」
私はこれを最後に、おっさんから逃げるようにして家へ逃げた。
小5のなんとなくで書いてる不定期更新小説です。
語彙力など足りていない部分もありますが多めに…
ゴミだらけの街で #2
家…と言っても、そんなに豪華なものは持っていない。
誰かが住んでいたような所を借りて暮らしている。
そんなに国が大きいわけでも、他の場所のように色々と厳しいわけでもないから、こんなところに暮らしていても怒られはしない。
家は少し狭く、外見は誰も住んでないように見えるほどボロボロ。
そのおかげで、前は知らない人が家に入ってきたこともある。
部屋の隅を見ると蜘蛛の巣がはってあったり、変な虫がいるときもある。
…いつもこうだから、気にしてはいないけど。
そんなことをしていたら、ふとお腹が空いてきた。
もちろん、他の人のように豪華なものは食べれるわけがない…から、今日もご飯をあさりに行く。
「今日はどこに行こうかな。」
みんなの住んでいる場所や顔が書いてある自作の紙を見ながら、そう呟く。
その時に目に入った、一人だけ顔が写っていないところがある。
(なんでだろう…見落としてたかな。)
そう思うと、私はすぐさまカメラとその紙、そしてポケットにボールペンのクリップをさし、そこの家の場所まで向かった。
ゴミだらけの街で #3
そこの家は、ちゃんと画像通りの黄色い家で、私よりも豪華そうな家だった。
ご飯を盗るにはコツがある。 まずは裏の扉を探すのが大切。あったらそこから行ったほうがバレないからだ。
…ん〜、この家にはなかった。
次は、防犯カメラ。 これは偉い人などでしかつけることはないし、探さなくてもここにはないと思う。
その次、周りに人がいないか。 幸い、朝早く行き過ぎたので、そこら辺に人の影は見えなかった。
よぅし、準備ができた。 こんな小さい国に鍵を持っている人などいない。
--- _ガチャ ---
よかった、人はいない…
恐る恐る足を踏み入れながら歩く。
足音はなるべくたてないように、ゆっくり。
床は濁っている場所もあるが…食べ物は落ちていないようだ。
「…あっ!」
ゴミだらけの街で #4
そこには、机の上にあるリンゴの姿だった。
丸いバスケットに入れられており、とても美味しそうだった。
横にはバナナやぶどうの皮、そして苺のヘタが落ちていた。
「ちぇっ…もうすぐ早くこれば…」
そう思っていたら、男の声がした。
やばいっ!と思い、すぐにバスケットの中からリンゴをとり、さささっと近くにあった布を被りながら棚の後ろの影に隠れる。
だんだん足音と口笛が聞こえてきて、身を小さくするようにする。
「あれっ?…ここにあったリンゴって…」
ボソッと呟くその声は機械的だった。
(えっ?機械…?)と思っていたら
「あれ、こんなところに…」
といい、バッと私が被っていた布を剥がしてきた。
「あ、あのぉ…その。」
「リンゴ、あったね。よかった!」
ニコニコとしたまま、私の手からスッとリンゴを優しく奪う。
その見た目はまるで|人形《ひとがた》のようで、肌は黒色。
髪は白色で肩より少し上ぐらいで、前髪は長い。
その髪の毛の間からちらほら見える目は黄色だった。
「ちょっと…あの。」
といい、白色の襟がついた緩めの黒い服を引っ張った。
「わあっ!!? …なんでここにいるの?ここは俺の家だよ?」
少し驚いて、首を傾げながら彼は言う。
「知らないよ…いや、知ってるけ…」
「そうだ!君のためにこのリンゴでパイを作ろう!」
話を遮られてイラッとはしたが、この空腹な私は耐えきれなかった。
「え...いいの?お願いしたいけど…」
「大丈夫だよ!この有能ロボットがついているさ。」
ああ、やっぱロボットだったんだ。と思ったが、こんなちっぽけな街では、そんなロボットを作り出せる人などいないと思って、彼に問いかける。
「ねぇ、君ってどうやって来た…作り出されたの?」
ゴミだらけの街で #5
「えぇ…俺? う〜ん…と。」
少し困ったように、顔の近くに手を添えながら考えている。
「言えないなら、言わなくても…」
「ああごめん、言えるけど…思い出せないなぁ。 バッテリーがもうないのかも。」
「バッテリー?」
バッテリーという言葉と、なぜ思い出せないのかが気になって私は問いかける。
「バッテリー、そっか、人間って使わないんだっけ?…俺、結構前に失くしちゃったんだけど…」
少し困りながら、人差し指と人差し指をモジモジさせながら彼は言う。
「失くした…?失くしたらどうなるの?」
「死にはしないんだよね。ただ、動けなくなる。 ロボットは死なないんだ。」
そして指の動きを止め、自慢そうに笑う。
「へぇ、そのバッテリーって、どこに?」
バッテリーを探せれば、ちゃんと話せるかも。と思った。
「う〜ん…最初は普通に俺達を作り出してくれた人間が渡してくれるんだけど…君は違うでしょ?」
といい、両手の親指と人差指を私に向けた。
「そうだね。 そのバッテリーってどんな見た目なの?…見た目さえわかれば、私も…探し出せるかも。」
「本当!? こんなに協力的な人間は初めて見たよ!
…えっと、結構大きくて四角い箱の中に、コンセント…みたいなのがあって、あっ、そのコンセントには作ってくれた人間の名前とロボットの名前が刻まれているよ。そこで持ち主を確認するんだ!他のロボットのを使ったらだめだよ。…壊れたら別だけど。
…って、話しズレたね。 コンセントもその四角い箱のなかにピッタリ収まるように入っているよ。 そのコンセントを俺の背中にある穴に刺すんだ!…そして、ロボット達の急所もそこだね。今、服を着てるから見れないでしょ?…見る?」
息を吸う間もないぐらいずっとペラペラ喋るから、あんまり頭に入ってこなかったけど…
「いい」
「そっか!…ねぇ、そういえば君、名前は?」
穴を空いてるのを見るのはグロい…ってか、ロボットだからグロくないか。
…名前……。
ゴミだらけの街で #6
「名前…って言われても、わかんないし… ってか、そもそも親いなくて。」
もどもどしたような口ぶりでそう話す。 そうすると彼の顔は少し曇った。
「親…居ないの!?...ああっ、聞いちゃいけないカンジだったね。」
「別にいいけど。 …って、そう聞いてくる君の名前はなんなの?」
そうすると彼は、ニコッとしてこちらを見る。
「俺!? 俺の名前は”トラブルボット”。 大量生産された中のひとりだよ。 …まぁそのままトラブルボット、って言ってもいいけど…他にもたくさん同じ名前の仲間がいるから、わかんなくなっちゃうでしょ? …そのために、俺達には番号があって、リーダーがぁ…って興味ないか、俺の番号は”YR‐118”。
YRの由来は俺の特徴的なこの黄色い目なんだ。覚えといてほしいな!」
あまりにもすらすらと話し始めて、少し内容が入らないこともあったが、彼の名前が”トラブルボット”、”YR‐118’ということが分かった。
「えっと…YR‐118…さん?」
「今考えると少し長いね!Yでいいよ。」
「あっ、Y…さんね。」
そうするとYはニコニコしながらふっと頷き、またこちらを見る。
「ねぇ、あのぉ…さ、さっき話してる時、思いついたんだけど。 君って、名前ないんでしょ?」
「ない…けど。」
Yは「そうだよね。」と言い、また続ける。
「名前がないと…その、君のことをどう言えばいいかわからないでしょ? だから…その…、名前を考えてて…、ロボットは目の色で名前がわかるんだけど、君の目って珍しい黒だよね。これは人間のところでは普通っぽい…けどさ。そして…BLACKからLとCをとって…君の名前はLC。 どうかな? 俺みたいにLだけにしてもいいけどね。」
そうした様子で、こちらを見てくる。 初めて名前を名付けたのか、少し緊張している様子だった。
「L…いいね、気に入ったよ。 ありがと、名前つけてくれて。」
そう、Yにふふっと微笑みかけると、Yは少し照れている様子で、
「わぁっ、いいよ、えっへへ…気に入ってくれて嬉しいな。」
と、浮かれているようだった。
Yくんかわいい。
ゴミだらけの街で #9
「ほら、ここ。 私の家ね。」
Yは、少し顔をしかめた。
LはそんなYの顔を見て、一つため息を吐いて、少しイラッとしたように言う。
「そんな見た目だけでもそんな顔すんなら帰ってもいいけど…家の中もっと汚いし。」
Yは少し気まずそうにゆっくり口を開く。
「あの…ここの家、どっかで見たような…、この前にいた人とか、覚えてない?」
「…覚えてない。 私が来た時から10年は経ってるし…来たときの蜘蛛の巣とかホコリとか、飾られてるものを見て思っただけだけど。」
「そっか…まぁ、そんなに重要なものじゃないかも。 これも記憶消されてるだけかな…」
Yが(また忘れちゃった…)と不安そうな顔をして、Lから目線をそらす。
そうするとLはそんなこと気にしてなさそうに、Yの手を掴んだ。
「ほら、行こ。 今はPの場所探さないとでしょ?」
YはLの方にグルっと視線を動かし、「そうだね。」と返事をする。
かなり古い家なので、扉を開けようとすると『キイィイィ……』といったような音が耳に響く。
バナナの皮のような匂いが鼻をすっとすぎる。それに気づかないのか、そのまま進んでいくLに体を引っ張られたようについて行く。
家の中の道は人が歩くところだけものがどかされているが、それでも足にくっついた泥のようなものが床にくっついていて、…言っちゃだめだと思うが、とても汚い。
そうすると、Lがゴミを漁り始め、ポイポイと違うものを投げてきたので、Yは必死にこれ以上は汚くさせないように、腕で受け止める。
「ねぇ、Y。 人間に危害を加える用に作られたロボットなんでしょ?…なんか武器とかないの?」
「えぇっ…一応できるっちゃできるけどさぁ…、バッテリーを大きく消費しちゃうから…今使ったらやばいかも。」
Yがそう言い、Lが少し迷ってから、
「ん〜、ならいいかな。」
と言う。 Yはどんなのに使うのかが気になったが、Lが何かを見つけたようにしたので、話すのをやめた。
「これ…ノクターン王国じゃない?」
Lがこちらを振り返りながらそう話し、グシャグシャになっている半分に破られた世界地図のようなものを片手に持っていた。
「本当!?もうちょっと見せて!」
YがLの持っている紙の方にぐいっと顔を近づけて、紙を掴む。
そうするとむむっとした顔でこちらを見てきて、
「ノクターン王国…ってどこ? …文字を読む機能、読み込まれてなくって。」
と言った。 Lはため息を付きながら、「ここ。」と、”ノクターン王国”と書かれた場所を指差すと、今度は自分たちのいるところについてYが聞き始めたので、さっきのように教えた。
そうするとYが、
「こんぐらいの距離なら、俺の自慢の羽で飛べるよ。 バッテリーが少なくなるのは事実だけど…」
「そう?…んならお願いしたい。 できる?…体重とか。」
「そんなそんな、女の子にそんなこと言うなんて…、楽勝だよ楽勝。 …ほら、乗ってみて。」
といい、Yはさっきまで持っていたゴミを床に投げ、おんぶするような体制をし、手をおいでおいで、と動かしながらこちらを微笑む。
「こっこれで…重いとか言ったら…あんたの腕引っこ抜いて売るから…」
「ははっ!大丈夫だよ全然。 ほら、乗り方は分かる?」
「わっ分かるってば!」
よっこいしょ…と、Yの肩の上にLが乗っかる。
「ちょっと…、すぐ降ろし…」
「わぁ!全然いけるよ! バッテリーもそんな減ってないし!…これなら一時間ぐらいで3%ぐらいしか失わなくてすむかも!」
「そう…、ならもう降ろしてくんない?」
ちょっとだけ顔を赤くしているLに気付かずに、そのまま「はぁい。」と返事をしてLをゆっくりと降ろす。
「ねぇ、いつぐらいに出発すんの?」
「今日には行きたいな… 君、カメラ持ってたでしょ?…カメラでさ…記念撮影とか…したくって…」
子犬のようにモジモジとして、Yが話しかける。 そして、さっきとは全く立場が変わったかのようにLはニヤリとして、「いいね。」と言いながらカメラを持ってきた。
「他にも持ってくるものない?」
「あったとしても…君はもってないでしょ?」
「ふふっ…まぁね。」
最初の頃より、ずっと仲良くなった二人は、一緒に色々準備したり、どうやって行くかなどの道を何度も確認しながら、玄関を出た。
さっき、Lの家に行ったときよりもほんのり空が明るく、そして二人の気持ちも晴れていた。
ここから先、どうなるのだろうか___
ゴミだらけの街で #13
「ねぇY、本当にここなの? …って、ええ…。」
Lの目の前に写ったのは、色んな人にワクワクと話しかける陽キャ…Yの姿だった。
「その服イケてるね〜! …っあ!L! ここは結構楽しそうだよ。人数が多いせいでPを見つけるのはなかなか難しそうだけど…」
「ああ、そうなんだ… いっ!?…おいアン…」
さっきまでYと話していた人が肩をぶつけてきた。
おいアンタ!!といいそうになった所、YがLの肩と口に手を抑え、Lがモゴモゴともがく。
まさに、陽と陰の差であった_。
「んもご…モゴモゴ…」
「L、そんなに好き勝手言っちゃ、よく思われないでしょ。 Pを探すためにも、ここは大人しく…」
Lはイラッとしたように手を振り払い、自分の髪をもぞもぞと触り、「わ、わかったよ…」と言った。
「んでも、Pってどこに?」
「そんなの、他の人に聞けば分かるって! …ねぇ〜、今大丈夫?」
そういいながらそこら辺の人にツンツンと指をつき話しかけるYであったが、イヤーマフや今の温度で着るとは思わないくらいの厚い服、そしてチラッとこちらを見るだけの通行人。
「あ〜〜、ダメかも。」
Yが申し訳無さそうに言う。
そうするとLは、「まぁ、ここらへん歩いてたら証拠っぽい場所は見つかるでしょ。
Pの目っぽいのはここらへんから見なくなったし…」とYに言う。
するとYは、そうだね!と、人混みの中をLの様子を見ながら進んで行った。
しばらく歩いていくと、『行方不明』と書かれている、みんなにボロボロになるまで踏まれたようなチラシが落ちていた。
そのチラシを通行人の邪魔をしないように気をつけて、ゆっくりと汚物を拾うように人差指と親指の先ですらっと持ち上げてみた。
そうしてYに持たせてみると、Yは顔をしかめた。 そうだった、(Yって文字読めないんだっけ…)とLは思い、Yにチラシについているゴミをはらってもらった。
そうしてもらった後に、Yに見せるようにしてチラシを読み始めた。
「生きル…価値ナシ… オンボロボット…、って、ロボット…これってPじゃない?」
「うわ…めちゃくちゃ言われてる。 ここに住んでるロボットはPしか知らないし…これは多分Pだと思う。
Pはそんなにやばいやつじゃないと思うけど… ここに来てから変わったのか、バッテリーを取りすぎたか…、?
それか、彼のカタコトな喋り方に嫌気が差したのかな。」
Yが顎に手を当ててもぞもぞと言う。 その後に、チラシの真ん中に載せられている黒塗りされた写真をYに見せてみた。
そうするとYは、「こういうのは…」と言いながら目を光らせた。
「さっきから思ってたけど…それってバッテリー消費大丈夫?」
「ここに来る前の走ってたときは結構消費しちゃうけど…ほかは大丈夫だよ。」
「ダメじゃん。」
そういった会話をすると、Yはそのチラシを顔の近くにもってきて、元から光っていた黄色い目を、懐中電灯のように輝かせた。
そうすると少しずつ、チラシに付いているインクがサァァ…と、少しだけ薄れた。
「んん〜、中々しぶとく黒塗りされてるようだけど、俺にはこれが限界かな。 もっと薄めることもできるけど…バッテリー消費しちゃうから。」
そうしてYがLの目の前にパサッとチラシを見せた。
黒塗りされたせいで少し暗い色になっているピンクとそのピンクにキラキラと反射している黄色や緑。
そして顔はYに似ており、前髪はYより短い…それだけは分かった。
「これが…P?」
「きっとそうだろうね!これでPが本当にここにいるのは分かった。…他に情報とか…ないかな。」
「Pが住んでそうなところってあるの?」
Lがそう問いかけて、Yは少し考えた後、ハッと答えた。
「Pはよく森がでてくる本を読んでいたんだ。 例えば、『|アオイと魔法の森《公開してない過去作品》』とか…。」
「よくわからないけど…そういう所探せばいいんじゃないの。」
そうするとYはニコッとして、「天才だね!そうしよう!」と言って、森の場所を探しに、Lの手を引きながら歩き始めた。
ゴミだらけの街で #14
「森…って、最初来た所がまさに、って感じじゃないの?」
Yは少し悩んだようにし、「戻ればいいってことだよね。」と言った。
でもそしたら、ここに来た意味が… とLが悩んだ。 そうした時。
「Hey!! そこのお嬢さんと…マックロクロスケ!!」
異質…いや、ここでは当たり前のような服装の、ギラギラとしたサングラスとにやけた口、そして二人よりも身長がずっと高い怪しげな男が近寄ってきた。
マックロクロスケ。と言われたYは、少しイラついたように、黄色く光った目でムッと睨みつけた。 LはそんなYを横目で見ながら、まんざらでもない様子だった。
「な、なんです…」
「観光客だよねぇ!ね!? そんな あ・な・た に!!!」
Yの言葉を|遮《さえぎ》ると、男は「ジャッジャーン!」と自慢げに地図を取り出した。
「これを あげちゃおう!!!! このノクターン王国では行方不明が多発しているんだぁ…何故か分かるかい!!!!???
SOU!!!ここの道はとぉってもぉ…複雑だからね!!! これ以上行方不明者を出したくはないんだよう…優しいだろう? ほら、やるよ。」
随分とテンションが高いヤツに絡まれたな…と思いながら「どういたしまして。」と言って地図をもらい、駆け足でその場を離れていった。
そうすると、ノクターン王国には3つの森があることが分かった。
まず、『|月影の森《つきかげのもり》』
夜の光に照らされた幻想的な雰囲気が漂う森で月の光が木々の間から差し込み、神秘的な生き物たちが住んでいると言われいるという。
ここの一部に、YとLは最初迷い込んでいたと考えられる。(神秘的な生き物は発見できなかったが…。)
そして、『|星屑の森《ほしくずのもり》』
夜空に輝く星々が降り注ぐような美しい森で、星のように輝く花々や、光る昆虫たちが生息しており、訪れる人々を魅了する。 虫嫌いな人は発狂するであろうスポットも用意されているらしい。
3つ目は、『|夢幻の森《むげんのもり》』
夢の中に迷い込んだような不思議な森。色とりどりの光が漂い、訪れる人々に幻想的な体験を提供する。ここでは、現実と夢が交錯する瞬間を楽しめるだろう。
二人は、フム…とするようにして、次に行く所を考えた。
Pはどこらへんに居そう?とか、せっかく来たんだから、どこに行きたい?だとか…んで、話し合った結果、最初に行った月影の森へ行くことになった。
実際、月影の森の近くに星屑の森と夢幻の森があるので、先に行った方が他の森へ行く時間も短縮されるし…
二人は、全く朝になる気配のない空を眺め、人混みの中をぶつからないように気をつけ、あの男からもらった地図を半分こにするように持ちながら月影の森を目指し、あるき続けていった。
中には、Lのみすぼらしい外見に呆れた人たちが、Lにゴミなどを投げつけてくることもあった。 が、Lはそんなことが日常茶飯事だったので、そんなことなんて無視して、Yと一緒に月影の森めがけて歩いて行った。