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花火の形13
初流
この町で一番大きな港へ向かって、志喜と二人で歩いていく。
港までの道中も華やかに飾られていて、いつもの静かな田舎町とは一味も二味も違う。このお祭りは、山を一つ挟んだ隣町からも大勢の人がやってくるくらい、この地域ではデカいイベントなのだ。
なんてことのない他愛のない話をしながら進んでいくと、人混みの中に見たことのある二人の姿があった。
すると片方がこちらに気づき、ニヤニヤしながら走って近寄ってくる。
「よっ! 今から夏祭りデートかー! いいねぇ、楽しめよー!」
こいつ、また煽りやがって。
急接近してきたのはカズだ。まあ、こいつになら煽られても嫌な気がしないのが不思議なところではある。
もう一人は裕奈だった。
「二人とも、めっちゃお似合いじゃん(笑)。もう付き合っちゃいなよー!」
僕はあえて聞こえないフリをして、そのまま歩き出そうとする。
すると、隣の志喜が僕の袖をちょんと引っ張った。
「晴斗くん、無視したら酷いよ。ちゃんと話聞いてあげなよ」
(くっ……志喜に言われたら、無視なんてできるわけないだろ……!)
言われるがまま立ち話に付き合ったが、話の内容なんてほぼ僕をいじることばかりだ。
その後はなんとなく4人並んで祭り会場まで歩くことになった。女子二人は後ろで何かコソコソと楽しそうに話していて、カズはずっと僕の隣で「彼女! 彼女!」とうるさい。
だけど、こうやって4人で歩く時間はすごく楽しくて――そんな賑やかな時間は、あっという間に過ぎ去っていった。
会場付近に着くと、カズがニッと笑って手を挙げた。
「じゃっ! 俺は別行動するから、二人でデート楽しめよー!」
言い終わるか終わらないかのうちに、カズは人混みの中へと走り去っていった。
「私も二人の邪魔したら悪いし、別のところ見て回るね。じゃあね、しきぴー!」
「うん、また後でね、裕奈ちゃん!」
いつからそんなにあだ名で呼ぶほど仲良くなってたんだ。
裕奈もひらひらと手を振りながら、人混みの中へと消えていった。
周りの喧騒とは裏腹に、急に僕たちの間に「……」と静かな時間が流れる。
「あー……何か見たいところ、ある……?」
無言の空気が気まずすぎて、思わず声を絞り出す。
すると志喜は、パッと目を輝かせて露店の方を指差した。
「あの射的も気になるし、美味しそうな匂いもすっごく気になる! 一緒に回ろ!」
嬉しそうに僕の手引っ張る志喜。
ここから怒涛のように志喜に振り回されることになるなんて、この時の僕は知る由もなかった――。
ふふえらいだろほめろ2日に渡って連続で更新してる私偉すぎ