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カルチャーショック
続
#1
美しい男が突然に語った。
「わかりやすい形容詞に感動できるお前らの低脳具合が羨ましいよ」
その男の第一印象は、あまりにも美しい骨格に凛々しい目つきに形の整った眉からやけに神経質そうだなという印象だった。
「その言葉、その音、その絵がお前の思想なのか?」
男の容姿や態度は、まるで今までの人生で自分を卑下する必要は一度もなかった。と鼻高々に物語っているようだった。
「お前は代弁者を投影する事で、自己形成する馬鹿なのか」
そうか。この男はわからないのだ。わざわざ誰かが表現したり理解したり気づいて欲しくて生み出した作品のそれぞれに相応しい価値を。だからそんな言葉がいえるんだ。この男は信じている。誰もが自身と同じように、代弁者になれるのだと。
純粋に生きていてその思考に行き着いたのならそれはもはや屑だ。
「素晴らしいな」
「凡そのものだ!」
やかましい。し、腹立たしい。ここまで品のない高圧的な奴の言葉ほど神経を逆撫でするものはない。
こういう阿呆には言葉で、意思で伝えるしかないのだ。
「何か気に障ったのなら、申し訳ないな。」
「だが、………僕自身、君のその偏屈な思想には微塵も興味がないんだよ」
先ほどまで饒舌に話していた男は、黙りこくって動きもしない。
相当ショックのようだな。
無様で大変、哀れな姿だ。
だがどうしてか、滑稽のようには思えない。
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美しくないものはこの宇宙にあるはずがない。
これほど、あたたかで残酷な現実はないだろう。
だがそれは、普遍的な虚実でも事実でもない。
強かで華やかで可憐。それは大方美しいとされるものたちだ。だけど、これらが醜い。汚いとされr
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デリート、デリート、デリート、デリート…
つまらない文だった。
何も魅力がない。つまらない、つまらない、価値のない文だ。ああ、僕はどうしたら門脇のようになれるんだ。どうしたらあのような頭の人間になれるんだ。
憎らしい、あの男の言葉はあの男だから言えた言葉だ。
反吐が出る。僕も所詮、羨望しているのだった。
本当は気づいてる。門脇と男の揺るがない表現者としてのプライドとその作品の説得力のルーツについて。
あの男は、世の中の人が全員表現できる側の人だと思っていやがる。ふざけんなよ、お前らみたいな傑物と俺たちみたいな底辺の端くれの共通点なんかあるはずがないんだ。ああおかしい。おかしいんだ。僕はあの人たちと同じ土俵にも立てていないのに。ああ、僕はなんでこんな事が好きなんだ。
ああ、憎い。こんな時にも手を差し伸べてくれるのは門脇与一の作品なんだ。