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二倍、愛されたかっただけなのに
魔法薬は便利だ。簡単な欲望なら、ノーリスクで叶えられる。
だから『二倍愛されたい』という欲望くらい、金銭面以外はノーリスクで叶えてくれても良いではないか。これではハイリスク過ぎる。
──なけなしの金をはたいて買った薬なのに、こんなのあんまりだ!!
エースが脳内で文句を言っていると、エースの後ろにいるマレウスが一言。
「考え事か?」
「んあっ!」
ひときわ奥深くを突かれたエースは、高い声をあげてしまった。
思わぬ声があふれてしまう口をふさぎたいのに、手は自由に動かせない。駅弁されて、不安定な体を支えることに精一杯だった。
エースをつらぬいている『後方のマレウス』に、後ろ手でしがみついているわけではない。
「僕たちをないがしろにするな」
そう言ったのは『前方のマレウス』。
自身のペニスごと、エースのペニスをまとめてしごいている前方のマレウスに、エースはしがみついていた。
マレウスは二人になっていたのだ。
一度だけでいいから、二倍愛されてみたい。そう企んだエースが用意した魔法薬を飲んだせいで。
エースは前方のマレウスにペニスをしごかれながら、キスをされる。後方のマレウスに揺さぶられながら、頭皮を髪ごと舐められる。
「ふっ、んっ、んっ、うう、うううん……!」
びくびくとエースが達したら、不安定な律動は止まった。
駅弁が終わっても、エースは後方のマレウスに抱えられたまま。
性行為はまだ続くのだ。
エースは二人のマレウスとともに、ベッドの中に閉じ込められた。
三人がベッドインして、二時間後。
ぬぽ……と名残惜しそうに、アナルからペニスが抜かれた。
「はあ、はあ、はあ」
エースが息を整える間もなく、ずぷぷ、と別のペニスが挿入される。
「あーー……」
いったい何度目の挿入だろうか。
一人が達したら、すぐにもう一人に交代されて、もう一人が達したら、復活した一人に交代されて、代わりばんこに埋められて、ピストンされて、注がれて……。
「あう、あう、あうんっ、あう、あうぅ」
腸内に挿れるから汚いだろうとフェラは免除されているが、かえって二人のマレウスの欲を満たす時間を延ばしていた。
さらに二時間後。
二人のマレウスに絶えず埋められたアナルのふちは、ペニスが抜かれてもぽっかりと丸く開いたまま。ピンク色の穴の中から白濁色の精液があふれているところまで丸見えだ。
二人のマレウスはエースのアナルに、指を同時に突っ込んだ。
仲よく指をゆっくりピストンして、精液を中に押し戻していく。
「あふうっ。ああっ。やだあ。もう疲れたっ」
エースは四股をけんめいに動かして、ベッドの中から逃げようとした。当然、あっけなく阻まれる。
「逃すわけないだろう」
「僕たちを増やした責任を取れ」
獲物がもがく姿を見て、また欲情した二人。二本のペニスがまた元気になった。
二人の指が引き抜かれる。ひくつくアナルは変わらず美味しそうで──。
「さっきはお前がやったから、次は僕だ」
「……ああ。順番だからな」
二本まとめて挿入できないので、先ほどと同じ、交代制。
またもやペニスが埋まっていく。もう解放されたいアナルは懸命にペニスを吐き出そうとする。だがそのうごめきが、かえってペニスを奥へと誘う。
「はううう……」
最奥をちゅぽちゅぽと柔く突かれて、エースは力なく鳴いた。
薬が切れる条件は、服薬者が満足すること。もちろん、分身体も含めてである。
まだエースを堪能していたいマレウスは、まだ一人に戻れない。長命種のマレウスが満足する時など、しかも二人分とくれば……短命種のエースにとってはまだ先の話だろう。
そう。まだなのだ。まだ。まだまだ。ベッドインして四時間たとうが、まだもっと、先の話──。
「ほら、トラッポラも出せ」
つらぬいていない方のマレウスに、ペニスを思いきりしごかれるエース。弱々しく泣きながら残り少ない精液をふるい出しても、満足していないマレウスの手はペニスをしごきっぱなし。
もちろんしごかれている最中だろうと、エースをつらぬいている方のマレウスはエースの中を犯し続けている。
エースは絶頂から降りられない。
「ひい……ひい……やめてぇ……」
「……『やめて』? 何を言っている。僕たちは満足していないというのに」
「僕たちが一人に戻るまで、ずっと付き合ってもらうぞ」
「だって僕をだまして、こんな粗悪な薬を飲ませたトラッポラが悪いのだから」
「ウソつきが嫌いな妖精をだましたのだから、これは当然の報いだ」
外側の弱点をしごかれながら内側の弱点を突かれて、おまけに乳首も摘まれたり舐められたりして、快楽責めは激しくなる一方。ときおり深いキスもされて、エースはもう虫の息なのに。
「あああああ……ああぁああああああ…………」
愛も肉欲も二倍──もしくはそれ以上──受け取っている最中。エースはマレウスに魔法薬を飲ませるという、軽率な行動を起こしたことを後悔した。