公開中
作った答えは強がることと愛想笑いで。
おもち
--- **食べ歩きツアー** ---
STPRへの所属発表から数日後、STPR Family全員が集結した初の公式生配信が行われた。
すとぷり、AMPTAKxCOLORS、騎士A、めておら、すにすて、そして最年した後輩の私。
総勢30人超えの超大型配信は、同時視聴者数が数十万人を超える伝説の夜となった。
先輩たちが「りんね、いらっしゃい!」「みんなで全力で応援するからね!」と次々に温かい言葉をかけてくれる中、私はもう学校のときのような愛想笑いではなく、心の底からの感謝と喜びをリスナーに届けることができた。
お兄ちゃんも画面の裏で、本当に嬉しそうにその様子を見守ってくれていた。
その大成功を収めた配信の、まさに翌日のこと。
ななもりさんの発案で、私の歓迎と配信の大成功を兼ねた「恋白の打ち上げパーティー」が開催されることになった。
もちろん、私の唯一の家族であり、これまで私を支え続けてくれた真白お兄ちゃんも特別に招待されている。
午前中は、私の大好きなものを巡る食べ歩きツアーから始まった。
秋葉原や浅草の街を、顔を隠した先輩たちと私、そしてお兄ちゃんで賑やかに歩く。
「りんねちゃん、これ美味しいよ! はい、あーん!」
AMPTAKのあっきぃさんとぷりっつさんが、焼き立てのみたらし団子を差し出してくる。
「あ、ありがとうございます! すっごく美味しい……!」
「お、いいね。じゃあ次はあっちのクレープ行こ!」と、すにすてのメンバーたちも大はしゃぎだ。
すとぷりの莉犬さんやるぅとさんは、私がお腹を壊さないように「ゆっくり食べてね」と優しくお茶を渡してくれ、めておらの心音さんは「俺の分まで食べていいからね!」と相変わらずのハイテンションで場を盛り上げてくれる。
お兄ちゃんは、トップクリエイターの先輩たちが私を本当の妹のように可愛がってくれている姿を見て、安心したように目を細めていた。
お昼過ぎに一度オフィスに戻って十分な休憩を挟んだ後、夜はいよいよ本番の高級焼肉屋さんでの打ち上げが始まった。
貸し切られた大きなお部屋のロースターで、お肉がジューシーな音を立てて焼けていく。
「恋白、ほら、大好きな牛タン焼けたぞ」
お兄ちゃんが私のお皿にお肉を乗せてくれる。
「りんねちゃん、本当におめでとう。これから一緒にSTPRを盛り上げていこうね」
騎士Xのばぁうさんやしゆんさんがコーラで乾杯をしてくれる。
プロの先輩たちに囲まれ、美味しいお肉を口いっぱいに頬張りながら、私はこれ以上ない幸せを噛みしめていた。
もう、傷つかないために強がる必要なんて、この温かい世界にはどこにもなかった。
そんな宴もたけなわの頃、ななもりさんがふと手帳を見ながら、私とお兄ちゃんに微笑みかけた。
「そういえば恋白さん、もうすぐ誕生日だよね?1月12日。STPRに所属して初めて迎える誕生日だから、何か特別なバースデー企画、一緒に仕掛けたいね」
その言葉に、焼肉を食べていた先輩たちが一斉に目を輝かせた。
「えっ!1月12日なの!?もうすぐじゃん!」
「いいね、誕生日記念のオリジナル曲とか、限定グッズとか作っちゃう?」
「俺たちも全力でお祝い動画あげるわ!」
先輩たちの温かい言葉が飛び交う中、私はお隣に座るお兄ちゃんと顔を見合わせた。
これまでは、親を亡くしてから二人きりで、静かにささやかにお祝いしてきた1月12日。
だけど16歳から17歳になる今年の誕生日は、世界で一番大好きなお兄ちゃんと、ここにいる30人以上の最高の先輩たち、そして100万人を超えるリスナーのみんなに祝福される、人生で一番特別な日になろうとしていた。