公開中
第十四話 戻った日常
あの一件が終わって二ヶ月。
4月よりも暑さは増し、制服も半袖になった。問題の九里さんは人が変わったように優しくなり、平和な日常が続いていた。また、まふゆの足の怪我も治った。
「じゃぁ隣の人と相談して考えてみてくださーい」
そう言われて隣を向けば、なんとも微妙な「お前かよ」って言いそうな顔の怜。ちなみにわたしも同じ表情をしてやる。
「オマエワカリマスカ?モチロンワカリマセンヨネ、バカデスモノ」
「なんなの、そのバカにした表情と喋り方ぁぁぁ!」
「あれ、おかしいぞ。センセイは隣の人っていってたけど隣には人じゃなくて鬼がいるんだよなぁぁ」
「誰が鬼だ!」
平和すぎる。
いくつか後ろの席にいるまふゆも、あの事件ーとある女子が主犯、その裏で操っていた九里さんが引き起こしたいじめからも立ち直れたようで良かった。あの時、わたしが守ってあげれればこんなことなんて起きなかったのに。
「次は問題やるぞー。62ページだ。とりあえず5分で。スタート」
問題を解きつつ、考える。不幸の手紙の一件から、もう一ノ瀬先輩とは会ってないけど、、、。2つもスキルを使うって、一体何者何だろう。怜を呼び出して、スキルのことについて話していたらしいし、あやしい。
授業、SHRが終わり、掃除の時間だ。廊下は広いし、大変だし、、、わたしは掃除がそんなに好きじゃない。でも汚いのがいいってわけじゃないけど。
「咲葵〜ちりとりお願い!」
「りょーかい!」
友達に頼まれ、ちりとりを取りに行く。うわっ。人混み、、、。これぐらいで嫌になるなら、わたし都会ムリだな。苦笑いを浮かべ、友達の元へ。
ドンッ。
「うわっ!?」
後ろから押されたみたい、、、?転んではいないけど躓きそうだった、、、危ない危ない。やっぱり都会向いてない。誰に押されたんだろ、、、。九里さんじゃないよね?流石に。
そう思って後ろを振り返ると、、、、
誰かは分からないけど、一人から黒い陽炎っていうのかな、、、?なんか、影みたいなのが立ち上っているのが視えた。
(、、、、?)
もう一度目を凝らしてみても、もうそんな人はいなかった。見間違いかなぁ、、、。
なんかあったけれど、放課後になった。さっき以来、黒い影は見えていない。やっぱり見間違いかなぁ、、、。
まふゆ達と備品庫に行く途中、生徒会について話がでた。
「そ、そういえば立候補しますか?生徒会。」
すると怜が何とも言えない顔をする。
「入学前はさ、なんか志願理由書がどうのこうので『生徒会入るぞ!』って思ってたけどさ、なんか入る気あんまりない」
「怜にしては珍しく共感できることを言っている、、、!」
「俺普段そんな変なこと言ってた?」
「さぁ。でも2年連続生徒会長になった人がいるって聞いたことがある。」
「マジか、、、。」
すごい。2年連続、、、なかなかないよ。
「確か、、、天野ナントカ、、、樹?誠?直樹?悠人は小早川先生だよね、、、、。」
「あ、それ私の兄です」
「へぇ~、すご。、、、うん?兄??」
美桜ちゃんの、、、兄ってあの、、、。
「はい!天野直輝っていいます!」
その名前を聞いてわたし達は驚愕する。
「「「あっ、あの『天野直輝』!??」」」
説明しよう。天野直輝、それは現在高1(!!)である生徒のことだ。そして彼が持つのは「(元)中等部の王子様」という異名。ちなみに、今年からは高等部の王子様になったらしい。
その名の通りにも眉目秀麗、成績優秀、、、まさに「完璧」。おまけに強いスキルも使えるとか。
(スキルの強さはもともとの素質に加え、本人の努力次第で変えられるらしい。この学校にきて初めて知った)
そんな完璧な人が兄にいるなんて、、、、羨ましい。おまけに美桜ちゃんもかわいいし頭もいい。完璧兄弟すぎて怜が惨めだ、、、、。
わたしの心でも読んだのか、怜が「おい失礼な事考えるだろ」って言ってくる。よくわかるな、、、。
備品庫につくと西園寺と亮太がいた。なんだかんだこの2人、仲がいい。
そして、もう一人、、、!
「やっほ〜!」
「一ノ瀬先輩ッ」
怜が即座に反応し、一ノ瀬先輩に縋る。
「先輩〜うぐっ。大変だったんですよ?」
若干涙声なのはなんでなんだろう。怜と先輩以外は何がなんだか全くわからない様子。
「よしよし、いい子〜。」(あやされてる、、、、笑)
苦笑したまふゆは先輩に聞く。
「先輩、なんでこいつ涙声なんですか、、、?」
まふゆ、若干引いてる、、、、。
そしてわたしにとって一大事なことを先輩は怜に苦笑しながら告げる。
「スキルの扱いが難しくて、らしいよ。」
平和〜♪