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第九話 守れなかった約束
きなこが・・・また・・・・
**第九話 守れなかった約束**
雪の谷から戻って数日。
パーティーには少し変化があった。
⛄️「きなこー!」
🐰「ん?」
⛄️「どこ行くの?」
🐰「依頼見に行くだけだけど」
⛄️「じゃあぼくも行く!」
🐰「うん」
🍌「また一緒か」
⛄️「当たり前でしょ!」
🐷「離れると不安になるんだろ」
⛄️「うっ」
図星だった。
🐰「大丈夫だよ」
⛄️「ほんと?」
🐰「うん」
⛄️「絶対?」
🐰「絶対」
⛄️は少しだけ安心したように笑った。
しかし。
その様子を見ていた🍌は目を細める。
🍌「その約束」
🐰「?」
🍌「破るなよ」
🐰「!」
前世。
守れなかった約束。
帰ってくる。
一緒に帰る。
また冒険する。
全部果たせなかった。
🐰「……うん」
🍌はそれ以上何も言わなかった。
**その日の依頼**
内容は護衛。
王都から小さな村までの輸送任務だった。
🦍「簡単そうだな!」
🍆「油断しないでよ?」
🦍「分かってる!」
🐷「分かってない顔だな」
一行は馬車と共に移動を開始した。
天気は晴れ。
道も安全。
順調だった。
だが。
途中で異変が起きた。
🍌「止まれ」
全員が足を止める。
🐰「どうしたの?」
🍌「……危機察知だ」
空気が変わる。
🍆「敵?」
🍌「多い」
🐷「チッ」
その瞬間。
森の奥から黒い影が飛び出した。
魔物。
だが普通ではない。
真っ黒な身体。
赤い目。
黒い霧。
⛄️「なにこれ?」
🐷「普通の魔物じゃねぇ」
🦍「来るぞ!」
戦闘が始まった。
ズドォォン!!
🐰「火炎魔法!」
黒い魔物が吹き飛ぶ。
だが。
すぐに再生した。
🐰「え?」
🍆「再生してる!?」
🍌「面倒だな」
普通の魔物ではない。
まるで。
前世の。
魔王軍。
その瞬間。
🐰の背筋が凍った。
見覚えがあった。
前世で戦った。
魔王軍の特殊兵。
🐰「なんで……」
🐷「きなこ」
🐰「いるはずないのに……」
顔色が悪い。
🍌と⛄️は気付いた。
前世を思い出してから初めて見る表情だった。
恐怖。
それも。
自分のためではない。
仲間を失う恐怖。
**戦闘は続く**
🦍「おおおお!!」
🍆「無茶しない!」
⛄️「氷の矢!」
🍌「右だ!」
次々に倒す。
だが。
数が多い。
その時だった。
黒い霧が集まる。
巨大な魔法陣。
🐷「まずい!」
🍌「全員下がれ!」
遅かった。
魔法陣から放たれた黒い光。
その光を見た瞬間。
🐰の脳裏に、
前世最後の光景が蘇る。
魔王城。
仲間。
黒い魔力。
そして。
自分の死。
🐰「だめだ!!」
叫ぶ。
考えるより先に。
身体が動いた。
🦍たちの前へ飛び出す。
🍆「きなこ!?」
⛄️「きなこ!!」
🍌「やめろ!」
全員が叫ぶ。
でも。
もう遅い。
転移。
結界。
防御魔法。
障壁。
全力。
黒い光が衝突する。
ドォォォォォォン!!
世界が揺れた。
土煙。
静寂。
そして。
🐰「っ……」
膝をつくきなこ。
無事だった。
しかし。
全員の顔色は最悪だった。
🍌「なんでだ」
🐰「……え?」
🍌「なんで一人でやる」
初めてだった。
おんりーが怒った。
🍌「また守る気か」
🐰「!」
🍌「また一人で死ぬ気か」
🐰「違う」
🍌「違わない」
⛄️の目にも涙が浮かぶ。
⛄️「ぼくたち」
⛄️「また置いていかれるかと思った……」
🐰「ごめん……」
⛄️「謝らなくていい!」
声が震える。
⛄️「でももういなくならないで……」
🐰は何も言えなかった。
前世からずっと。
仲間を守りたいと思っていた。
でも。
仲間は。
🐰にいなくなってほしくなかった。
その当たり前のことを、
ようやく思い出した。
**戦闘後**
🦍「なあ」
🐰「はい」
🦍「お前さ」
🐰「?」
🦍「たまに変な顔するよな」
🐰「!」
🍆も頷く。
🍆「うん」
🍆「誰かを失うのをすごく怖がってるみたいな顔」
🐰「……」
何も言えない。
🍌と⛄️だけが視線を落とした。
理由を知っているから。
🦍「ま」
🦍は笑った。
🦍「大丈夫だろ!」
🐰「え?」
🦍「俺たちそんな弱くない!」
🍆「そうだね!」
🍆「ちゃんと頼ってよ!」
その言葉に。
🐰は少しだけ目を見開く。
そして。
小さく笑った。
🐰「……うん」
まだ思い出していない二人。
それなのに。
前世と同じことを言う。
だから。
嬉しかった。
その夜。
黒い霧の中。
「勇者」
赤い瞳が揺れる。
「今度こそ」
「絶望を思い出させてやろう」
闇が笑う。
そして。
ぼんさんの胸の奥に。
小さな違和感が生まれていた。
🍆(なんでだろう)
🍆(きなこを見ると……)
🍆(守らなきゃって思う)
それは。
失われた記憶が動き始めた証だった。
次回ぼんさん!!!!
いやぁ〜、ぼんさん好き!