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第十九話 夏休みまで、あと1日
「多い、、、、。」
わたしは配られた課題のリストを見て思わず顔を顰めた。そう、これが夏休みの宿題だ。
「これ、夏休みでやるのか、、、?むりじゃないか?」
隣の怜も見るからに嫌そうな顔で宿題リストを眺める。
分厚いテキストが多いし、冊数も多いし、、、。あと単に難しい。どれをとっても、全部小学校の倍だ。小学校のなんて、一日で終わらせる人が沢山いて、すっごい簡単だったのに、、、。軽いノリでスキルいいなぁなんて思って入学しないほうが良かったかも。いや、でもまふゆと離れたくないぃぃ。
「課題提出日はそこにかいてある。その日に提出するようにー。」
担任の先生に言われて紙を見る。うう、まだ予定まで一ヶ月以上あるけど、これじゃぁ全然遊べない!!まふゆと美桜ちゃんと、また一緒に遊ぶ約束したのに。しかも、今度は海で!わたし、陸の上では結構運動得意な方なんだけど、水中は向いてない。というのも、極度のカナヅチだからだ。小学校のプールの授業では溺れるし、臨海学校では一人だけずーっと浜の方にいて寂しく遊んでたし。怜にさんっざんいじられてたけど怜だって、夜ご飯のカレーを食べ過ぎて気持ち悪くなってた。全く、何をやっているのだか。
思わず思い出し笑いをした瞬間、わたしは一瞬で凍りつく。
「じゃぁ通知表渡すぞー。出席番号順で。じゃぁ1番ー」
終わったぁぁぁぁぁぁぁぁ。
通知表、、、それはわたしの小学校から戦い続けている、宿敵。今の所全敗だけど。
課題は出してるんだけど、期末テストが絶望すぎて、、、、。
結果は、
国語が23点、理科が35点、社会が46点、英語が28点、そして、、、、数学は、12点!!!!一番高いのが音楽で87っていう有様。しかも全部選択制だったから、全部間違っていて勘であったっていた可能性がだいぶ高い。
5教科なんて赤点スレスレどころか下回っているものもある。うぅぅ、勉強したのに。夜遅くまでやって、ちゃんと教科書も読んだし。で、でも、気づくと寝てるんだよ!
「じゃあ次、18番ー」
「はいっ!!」
あぁ、ついにこの時がやってきてしまった、、、。お母さんに顔向けできないよぉぉ。うぅ、せめて2は超えていてくれ、、、!頼む、神様!
祈りながら先生のところに行き、通知表を受け取る。
そして、恐る恐る開いてみると。
「やったぁー!」
そこには国語2、数学1、理科3、社会3、英語2!す、数学はまああれだけど、、、、。他の教科は2以上だ!
やった、これならお母さんの怒りも少しはマシになるはず!
ウッキウキのわたしの横では怜が見るからに嫌そうな顔をして通知表を眺めていた。結果でも悪かったのかな。
「怜〜?どうだった?」
「まぁ、数学は5だったけど、国語が、、、。」
「国語かぁー。」
怜、計算は早いし数学については問題ないんだけど、国語が壊滅的なのである。(わたしより点数高いんだけどね。ハハッ)
「どうかな、ゲーム禁止にならないといいんだけど。」
「どうだろ。怜のお母さん優しいし、大丈夫じゃない?」
すると何かがいけなかったのか怜はキレる。
「んなわけねぇだろ!!あのクソババァだぞ??」
どうやら、絶賛反抗期中らしいですね。怜のお母さん、優しいんだけどな。
そうしてSHR、掃除が終わり、一学期最後の部活の時間がやってきた。
「あれっ、美桜ちゃんは?」
備品庫に行く途中、わたしはあたりを見渡す。今日、いなかったっけ?
「美桜ちゃんなら今日は休み。確か、LINEで病院に行くって言ってた。にしても咲葵、同じクラスの人の出席状況ぐらい覚えよう?」
そうだった、、、。昨日のグルラで美桜ちゃん、休むって言ってた。
「はい、、、。がんばります。でも、美桜ちゃん病気とかじゃないよね?」
「それはないと思う。咲葵、さっきも言ったけどLINEで知人のお見舞いに行ったり色々するって言ってたよ」
「うぐっ。」
大変だ、わたしのバカっぷりが限界突破している。あぁ、西園寺よ。君の知能を分けてくれ。頼む。
備品庫に着くと、先着の西園寺と亮太がいた。
「来ましたか。、、、咲葵は顔が大丈夫じゃなさそうですが。」
「西園寺ぃ〜助けてよ、わたし馬鹿だよ!?助けてよ!!」
思わず縋ると意外にも慰めてくれる。
「まぁ大丈夫ですよ。」
西園寺がこんなこと言うなんて、、、槍でも降るな。
「だって、あなたは馬鹿と阿呆が混ざってるんでしょう?」
「違うわ!!!」
なんだよ、バカとアホのMIXって!!西園寺に慰めることを期待したわたしがすごい愚かだった。いっつも皮肉言ってる西園寺が人の心を持ってるわけないもんね。
「はいはい、咲葵落ち着いて。そういえば、夏休みの部活っていつあるか知ってる?」
すると怜が即座に反応する。
「それなら顧問の小早川先生が一週間に一回あるかないかぐらいでいいって。あるとしたら水曜日らしいぜ。」
へぇー、さすが優しそうでミステリー好きっぽい小早川先生。わたしの勘は間違っていなかったようだ。
「ってか今日の部活は何するんだ?」
「先生から聞きましたけれど、夏休みの計画、でいいだそうです。」
「夏休みの計画、、、。」
計画、それはわたしの第二の宿敵。
夏休みの宿題もそうだけど、、、計画通りにやったりするの、すっごい苦手なんだよね。いつも小学校なんて夏休みの宿題は最終日の二日前にギリギリ終わらせてたし。中学校に入ったけれど、今もその特性は健在だ。
「夏休みの計画なんて言っても、そんな何をすればいいんです?」
西園寺の言葉にわたしは目を光らせる。そんなの、一つに決まっているでしょ!
「もちろん、謎を解く、でしょう!!」
数秒間の沈黙の後にまふゆが咳をし、怜がお葬式のBGMに使われそうな曲を口ずさみ、西園寺は空を眺めだし、亮太は寝る。
「おい!!!!リアクション!!!まふゆ、なんか言ってよ!」
するとまふゆは気まずそうに言葉を発する。
「でも、わたし探偵部って何をするかわからないまま、言われるがまま入っただけだし。正直、わからない。」
うぐっ。まぁまふゆについては少し申し訳ない。入りたい部活がないからって、無理やり誘っちゃったもんね。
「同じく。俺だって適当に返事したら入ることに、、、、!」
あ、アー怜はしょうがない。だって、あのまま陸上部に入ってたら体にも心にも良くなかった。まぁ、適当に返事した怜が悪い!
「おれだって、、、。勉強時間を削りたくなかったからって理由で部活に入りたくなかったんですよ。でもそしたら一ノ瀬先輩に声をかけられて、、、!そしたらこうですよ!!」
うぐぐっ。
で、でも悪いのは先輩だし。
「おまけに亮太だって俺が勝手に紹介しただけで。」
うぐぐぐっ。でもそれは怜が悪い。
「なんかごめん、、、。」
バツが悪そうな顔でわたしは謝る。簡単に部活、作るもんじゃなかったのかな、、、。
「まぁ別にこれはこれで楽しいのでいいですよ。ところで本題に入りますけれど、計画は、、、。」
話し始める西園寺を見て、わたしは思わず笑みをこぼす。意外とノリノリじゃん。
探偵部は、今日も平和だ。
一方。美桜は。
「一花お姉ちゃん、、、。」
ここは病院のとある一室。この部屋には一花お姉ちゃんがいる。まだ目は覚めていないけれど、なぜかいかなきゃいけない気がして、わざわざ学校を休んでまで来てしまった。お母さんにも一応許可は取ってあるから問題はないのかもしれないけれど。
「お姉ちゃん、、、一年前、何があったの、、、?」
そう問いかけても反応しない。、、、ダメか。
諦めて病室を出る。こうなるとはわかっていたのに、なんで来てしまったのだろう。、、、でも、確かに何かを感じたんだ。
「夏休み、、、来れるかな。」
部活がない日なら、これるだろう。
ため息をつき、病院の天井を見る。
雪のように真っ白だった。
初めて三千文字超えました。