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第十話
久しぶりだね!この小説を更新するのは!
数ヶ月が経ち、お兄様と朝顔の君が三日夜の餅を食し、正式に夫婦となられた。お兄様も、晴々とした表情で、「群がってくる女子が減った…」と喜んでいらして、嬉しかった。
「姫宮!お聞きになりました?」
お母様がいつのまにか私の御座所の中にいて、いつもの気品をほんの少しだけ崩した口調で話しかけてきた。
「何かございましたの?私は知りませんわ。大きな出来事など。」
「そうですか。なんとですね…今上の帝が崩御されたようなのです。」
私はつい笑みがこぼれてしまった。なにせお母様やお姉さま、新しくできた私の大切な弟、光る君を傷つけた愚帝なのだから。
「宮。流石に『あれ』が相手とはいえ人が亡くなったことに対して喜んで笑みを浮かべるものではありませんよ』
「あ、つい…大丈夫ですわ。他の人が亡くなった時には笑みは浮かべませんから。『あれ』が相手だからついそうしてしまっただけですわ。」
うちの中でのあの愚帝の評価はものすごく悪い。名前さえ出さず『あれ』と気品に満ち溢れているお母様やお姉さままで言うほどなのだから。光る君は、今、実の父が亡くなったというのに聞き流しながら唐菓子を食べている。
「命婦。民の様子を見に行くわ。だから、麻の服持って来て。」
「宮様。いい加減変装はおやめなされませ。あの時々現れる庶民とは思えぬ美しさの人が宮様だと知ったら驚かれますわよ。」
「うるさいうるさい。いいから早くして」
命婦は不満げな様子ながらも、私が主人だから逆らえないのだ。内親王っていいわね。内親王に限らないか。
着替え終わった。相変わらず、服以外全く庶民ではないとは思う。しかし、変装しないよりはいいだろう。
「行くわよ、命婦。あ、今日は刺客がいるといけないから光る君も連れて行くのだったわね。」
「ええ。でも光る君がいらっしゃるのはいつものことでございましょう。」
「まあね。呼んできてよ。面倒くさい。」
命婦は呆れた様子ながらも、光る君を呼んできてくれた。
「お姉様!左様な服さえもお似合いになるなんて!流石です!」
「……はい、ありがとう」
光る君が私が何をしようと褒めてきて少しめんどうだわ。ゆったりと牛車に乗って向かった。
「宮様がいらっしゃったぞ!」
民のところにつくと一人の男が声をあげた。その声を聞いた人は皆牛車の周りに群がってきた。あれ?変装してるのに…あっ、牛車に乗っているのだったわ。
「あ、あの、宮様。とても恐れ多いことなのですが、この頃たくさんの人が流行病で苦しんでいるのです…私の妻も、子も…そ、それでえっと」
「はい。わかっています。たくさん準備してきましたわ」
私が微笑みながらそう伝えたら、周りの人たちが皆涙を流して手を合わせていた。私は仏になったつもりはないが、仏のように優しいと思われているのなら光栄なことだ。
…あっ、忘れてたわ…この中に刺客がいるかもしれないのだったわね。お母様にも注意されたのだったわ。いけない…気をつけないと。
「あら?もう日が暮れているわ?光る君、帰りましょうか。」
「はい!お姉様!」
私たちは牛車に乗り、民たちに挨拶をして、三条の宮に帰った。
読んでくれてありがとー。十話まで来たぜー!