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episode.17
四期までの情報しかないはずです!
原作(漫画)を見ながら書いてます!
オリキャラ注意!
--- episode.17 |少年と少女《boy and girl》 ---
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紅葉side
「……暇じゃの」
|江戸雀《おしゃべり》は最初に死ぬ。
じゃから太宰はあのような取引を持ちかけてきた。
鏡花のことを|童《わっぱ》に頼んだとはいえ、矢張り不安じゃ。
今すぐにでも助けにいきたいが──
「大人しく待つ、というのは少々つまらないの」
「じゃあ話し相手になろうか?」
おや、と声のした方を見る。
扉が開く音も気配もなかったが、其奴はそこにおった。
相変わらず隠密行動が得意じゃな、ルイス。
「敦君と何を話してたの?」
「別に大したことじゃないが、気になるかえ?」
「まぁ、多少はね」
ルイスは近くにあった椅子へと腰かけた。
「それで、お主は何に悩んでおる?」
ルイスside
流石は紅葉だな。
太宰君より僕と付き合いが長いだけある。
「この戦争での、僕の立ち位置について少しね」
何処かに属した方がいいのは分かっている。
でも僕は、昼の世界で胸を張って生きることも、夜の世界でこれ以上手を染めることも出来ない。
どれだけ考えても、この答えだけは出ることがなかった。
「|私《わっち》はマフィアに戻ってきてほしいとしか言えぬ」
じゃが、と紅葉はお茶を飲みながら微笑んだ。
「お主は自分が思っているより、光が似合っている」
「──!」
「自分自身と、しっかりと向き合うといい」
紅葉は、やっぱり僕のことを分かっている。
何となくで足を向けたけど、来て良かったかもしれない。
それから僕は、ヨコハマの町を彷徨いていた。
「……自分自身と向き合う、ね」
本心をちゃんと知ることかと思ったが、僕の場合は違うだろう。
最初にすることは、それじゃない。
「そして、僕は多分《《向き合えない》》」
戦争で人を殺したことは罪にならない。
だってそれは国を守るため、軍人としての義務だった。
罪悪感を抱いている僕がおかしい。
「……おかしいんだよね?」
その時、視界の隅に見たことのある人影が。
話し掛けれる雰囲気でもなく、僕は彼女についていくことにした。
No side
「待って」
ある橋の上。
そこに少女は立っていた。
「おや、君は確かマフィアの下級構成員だな。報告書では行方不明とあったが?」
「違う。私の名は鏡花。探偵社員」
宜しく、と言った直後にはもうフィッツジェラルドの首に短刀を振るっていた。
ギリギリ反応したフィッツジェラルドは皮一枚斬られるだけで済む。
「何という野蛮な国だ。こんな少女が刃の届く瞬間まで殺気もないとは……」
次の瞬間、鏡花は敦の手を引いて逃走した。
川に通り掛かった船へと飛び乗ったのだ。
「おや、逃げられたか。この場合の対応は……」
フィッツジェラルドの開いたメモには『何もしないで下さい』と書かれている。
因みに、どんな場合でも同じ文が書かれてある。
メモを閉じてため息を吐いているフィッツジェラルドの耳に、足音が聞こえてきた。
顔を上げると、橋の向こうに金髪の少年の姿が。
「……これはこれは」
ルイスside
「まさか君に会えるとは思っていなかったよ」
そう、と僕は適当に返事をした。
鏡花ちゃんについていったら、まさかフィッツジェラルドに会うとは。
予想外すぎるけど、敦君達を捕まえさせるわけにはいかない。
「久しいな。探偵社を隠れ蓑にするのは止めたのか?」
「別に隠れ蓑にはしてないよ。まぁ、君から逃げたのは否定しないけど」
フィッツジェラルドも、僕も。
一歩も動くことなくそんなことを話していた。
「逃げることは諦めたのか?」
僕は否定して覚悟を決める。
|組合《ギルド》に入る予定など全くないが、彼らを守るために僕はこの力を使う。
少しでも遠くへ逃げてほしい。
そんなことを考えながら、僕は転送したゴム弾の銃を構えるのだった。
「俺を殺すか!」
「……さぁ」
分かっている。
僕は誰も殺すことが出来ない。
これが普通の筈。
「……。」
ふと見た拳銃を持つ腕は、震えていた。
距離を詰めてきたフィッツジェラルドに驚くことなく、僕は引き金を引く。
でも、簡単に避けられてしまった。
フィッツジェラルドの異能力は何だ。
それさえ知ることが出来れば、戦況が変わるかもしれない。
「ふむ、遅いな」
「──は?」
気づけば僕は、床に伏せていた。
正確にはフィッツジェラルドに投げられて、先程いた場所から遠く離れた場所に倒れていた。
受け身を取れなかったせいか、身体中が痛む。
「な、にが……?」
理解は出来た。
なのに体が動かない。
「軍を抜けて体が鈍ったのではないか?」
「そんなの──」
君に言われなくても、分かってる。
今の僕は、やっぱり弱い。
どうしても武器を握ると手が震えて、血を見ると少し足がすくむ。
「英国軍に詳しい知り合いに聞いた話なのだけれどね、一つ面白い話を聞かせて貰ったんだ」
「……いきなり何の話」
「おっと、君に関係ある話だが聞く気はないか」
では独り言を呟くことにしよう、とフィッツジェラルドは話し始めた。
本当に何なんだ、と思ったが今のうちに息を整えることにした。
どうやら、フィッツジェラルドが話そうとしているのは英国軍の機密情報の一つらしい。
その瞬間に、何を話そうとしているのか気づいてしまった。
「確か報告書の名は──|赤の女王《red queen》。戦場にいた一人の少女につけられた異名らしい」
「何でそれを……いや、その知り合いって一体……」
「血で赤く染まった軍服と、即座に戦況を把握して指示を出す姿から付けられたという。まぁ、こんな説明をしなくても君は知っているだろうが」
「……僕の《《もう一つの人格》》ということまで知っているのか」
これは予想外すぎる。
英国軍の機密情報を持っていることについてもそうだけど、彼女のことも知っているなんて。
「君は戦後に罪悪感を抱いたらしいが、#アリス#は違うのだろう?」
理由がどうであれ、僕は自らの手でも間接的にも多くの命を奪った。
罪悪感を抱かないわけがない。
でも彼女は違かった。
国を守る為、それが軍人としての義務だったと思っている。
僕は、#アリス#を否定してきた。
もう一人の自分が人殺しを正当化していることが、受け入れられなかった。
『──手を貸しましょうか?』
頭の中に響いたその声に、僕は顔をしかめる。
傷だらけの僕を見て、コロコロと笑っているようだった。
彼女の力を戦争が終わってから何度も借りてきたけど、あまり長時間は変わっていない。
自身が信じる正義を疑わず、いつか人殺しを正当化してしまうのではないのか。
#アリス#も僕なのに、信じることが出来なかった。
『私は昔と考えが変わっていないわよ。アナタが罪悪感を抱く必要はない』
先程までの楽しそうな気配はどこへ行ったのだろうか。
優しく落ち着いた声で#アリス#は続ける。
『アナタは今どうしたいのかしら?』
「ぼ、くは……」
分からない。
僕は今、どうしたいのだろうか。
ただ、懐かしい人達に会えて嬉しかった。
新しい人達とも沢山出会って、楽しいって思えた。
でも、今は彼らが傷つくところを見たくない。
『あの人達は守りたいほど大切な人なのね』
違う。
僕は大切な人を、仲間を作っちゃいけない。
仲間が傷つく姿をもう見たくないんだ。
命を奪ってきた僕が、生き残ってしまった僕がそんなこと──。
『誰がそんなことを決めたの?』
それは、誰も決めてなんかいない。
僕が勝手にそう思っているだけかもしれない。
でも死んだあの人達の分まで幸せになるなんてこと、絶対にあってはいけない。
『生き残ったからこそ! 一緒に戦った仲間達の分まで、全力で生きなくちゃいけないんでしょ!』
次回予告。
俺はフィッツジェラルドだ。
ネタがないらしく、作者からのメッセージを読まされることになった。
どうやら、次回予告を俺達にやらせるのはどうか君達に聞きたいらしい。
何となく続けているけど、口調掴めない人が多くて難しくなってきたとか。
まぁ、主要メンバーを先に使いきった作者が悪い。
ルイスくんに頼むか、作者がやるのか。
このまま様々なキャラクターが良かったら、そのようにファンレターで書いてくれると助かるらしい。
おっと、少し話しすぎたな。
そろそろ次回予告をすることにしよう。
次回、英国出身の迷ヰ犬
episode.18 赤の女王は妖しく笑う。
まぁ、分かったかもしれないが少しサブタイトルの書き方を変えるらしい。
少年と、だと上手く書けなくなってきたらしくてな。
六月になったし、変えるには丁度いいだろう。
俺はどちらでも良いと思うが。
それじゃ、次回も見てくれ。