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episode.26
五期までの情報しかないはずです!
原作(漫画)を見ながら書いてます!
オリキャラ注意!
No side
マフィアへのお使いが終わり、ルイスは改めて資料を読み直す。
ため息をつきながら、乱歩に貰ったチョコレートを口に投げ入れる。
「……甘い」
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--- episode.26 |海に沈む白鯨《Moby dick sinking in the sea》 ---
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ルイスside
さて、本気で考え始めるか。
まずは芥川君が|白鯨《モビー・ディック》に乗れなかった場合だな。
敦君が一人であの成金に勝てるとは思えない。
その場合は僕が助けに行かないとか。
次にフィッツジェラルドに敦君と芥川君の二人が敗北した場合。
敦君はまだ良いけど、芥川君は殺される可能性がある。
どうにか救助してから、|白鯨《モビー・ディック》を停止させる。
落下停止が間に合わなかった場合は、鏡花ちゃんの乗っている輸送機をぶつけるしかない。
本人が動かなければ、探偵社の入社試験を突破できない。
だから、なるべく関わりたくないけど入社試験を突破して夜叉と共に脱出したとしても、天空に放り出されることになる。
普通に寒いし、何事もなければ鏡花ちゃんの保護だけで済みそうかな。
『こうして考えると、見事に太宰君の掌で踊らされているわね』
「……#アリス#」
ぷかぷかと宙に浮かぶ鏡。
そこには#アリス#が映っている。
最近思ったけど、これもう鏡じゃなくて通信機じゃん。
『いつでも送れる準備はしておくけど、鏡花ちゃんのところは無いわよ』
鏡、と#アリス#はまだ探してくれているようだった。
どんな小さなものでも、鏡があれば移動することができる。
逆に|鏡の国のアリス《Alice in mirrorworld》では鏡の無い場所にはいけない。
「太宰君に頼んで鏡をつくって貰うようにしてるけど、間に合うかな」
『ダメだったら地上から対応するしかないわよ。一番大変な方法だけどね』
「……着信」
僕は相手を見ずに電話に出た。
誰が掛けてきたのか、なんて見なくても判る。
『ちゃんと芥川君が|白鯨《モビー・ディック》に来ました。鏡花ちゃんの説得が一番大変そうです』
「冗談を云えるぐらいの余裕はあるんだね」
『……ルイスさん、敦君達はフィッツジェラルドに勝てると思いますか?』
ふと、太宰君がそんなことを聞いてきた。
僕は思わず笑ってしまう。
「君の予想を超えるものなんて、そう無いでしょうに」
いつでも助けに行けるように準備をしておきながら、僕は空を見上げた。
ステルス機能があるとはいえ、陽の傾きのお陰か大体の場所は判る。
このまま上手く行くと良いけど。
そんなことを考えていたら、ふと視界の隅で鼠が走っていった。
少し考え込んで、僕はその考えをかき消すように首を振った。
流石に《《彼》》がこの街に来ているわけがない。
『それでは、現場はお願いしますね』
「……任せてよ」
異能空間にやってきた僕は、#アリス#と共に鏡でそれぞれの状況を確認していた。
そして、ひとつ判ったことがある。
多分、太宰君は僕のことを万が一のための|手札《カード》にしていたのだろう。
敦君も芥川君も、何一つ心配いらなかった。
別に彼らの親と云うわけではないのに、成長が嬉しく感じる。
初対面とか最悪だったからな。
「どうするの?」
「何が」
「鏡花ちゃんの所に鏡は出来た。でも、まだ助けには行かないのでしょう?」
まぁ、と僕はあらゆる鏡を見る。
夜叉白雪がどこまで出来るかによるんだよな。
はるか上空から地上まで連れてこれるのだろうか。
「あくまで僕は|補助《サポート》だからね。関わりすぎると《《彼女》》が動きかねない」
もう動いているだろうけど。
「……あら、フィッツジェラルドは倒せたわね」
「ちゃんと制御端末も回収してる。こういうところは似なくて良いのにね、太宰君に」
「あー、太宰君も手癖悪かったわね」
その時、敦君と芥川君の表情が歪んだ。
僕は即座に電話をかける�。
「……芥川君」
『ルイスさん!?』
「君達の戦いは見させて貰った。状況は?」
『制御端末で上昇の指示を出しましたが、降下を再開。現在は操舵室へ向かっています』
なるほど、ね。
何者かがハッキングして遠隔操作したか。
ちゃんと制御端末は回収したらしいし、逆探知するか。
「その必要は無さそうよ」
「……あぁ」
何だ、と僕は#アリス#が持ってきた一枚の鏡を見て笑う。
詳しい場所までは判らない。
でも、どうせ地下にいるのだろう。
『駄目だ、こっちの操作も受け付けない!』
「……ハーマン、詳細は判る?」
『外部から何者かが侵入し、機関部制御を奪っておる』
僕は指を鳴らして、あるものを手元に呼び寄せる。
「芥川君、一度スマホを機械に繋げて。無理矢理にでも引き上げれないか試してみる」
芥川君のスマホからの情報をパソコンに移動するようにして、解像を始める。
僕の技術では、確実に引き上げることは出来ないだろう。
でも、探知はギリギリ可能だ。
すぐに場所を移動するだろうから意味がないかもだけど、やってみる価値はある。
「#アリス#、続きは──」
「えぇ、任せてちょうだい」
バトンタッチして、状況の把握を進める。
どうやら鏡花ちゃんのいる輸送機に|白鯨《モビー・ディック》の会話を流したらしい。
輸送機をぶつけることで、海へと落とそうとしているようだった。
「……。」
僕は誰も居なくなった白鯨の操舵室にやってきた。
鏡から出ると、もう輸送機が当たる直前。
#アリス#に鏡を出してもらって、外へ出る。
白鯨から離れていくパラシュートが三つ。
そして、輸送機から離れる影がひとつ。
「……ぇ」
「随分驚いているね。君のそんな顔は始めてみたかもしれない」
ニコニコと笑う僕に対して、困惑の表情の鏡花ちゃん。
とりあえず夜叉に抱えられたままというのはあれだから、大きな鏡の上に二人で乗る。
「いやぁ、それにしても凄いね。まさか入社試験に合格できるとは」
「……ルイスさんはどうしてここに?」
「君達のサポートのため。そして今は、制御が効くようになった夜叉白雪が地上まで君を運ぶのは大変かと思って助けに来た」
「……やっぱりルイスさんは凄い人」
凄い人、か。
それは敦君たちのように命を懸けてこの街を守ろうとするような人のことだろう。
僕は全く当てはまらない。
「さて、そろそろ行こう。僕は邪魔だろうから先に失礼させて貰うよ」
そうして、僕は鏡花ちゃんを地上まで下ろしてあげた。
太宰君達には会わない。
僕は探偵社員じゃないから、彼らの輪にいてはいけない。
それに、《《彼》》についても気になることがある。
『残念だけど、全く駄目だったわよ』
「……流石に対策してるか」
『もう何ラウンドかやってみる?』
「いや、いいよ。今はゆっくりと休もう」
この街は新双黒のお陰で|組合《ギルド》の手から守られたのだから。
次回、組合戦・完