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episode.15
四期までの情報しかないはずです!
原作(漫画)を見ながら書いてます!
オリキャラ注意!
探偵社、マフィアへと怪我人を送り届けてきたルイス。
最後にやってきたのは、貧民街。
そこで異能力を発動させると、鏡花が姿を表す。
「僕から言っておいてアレだけど、本当に此処で良かったの?」
「……うん」
表情の暗い鏡花に、ルイスはそれ以上何も言えなかった。
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--- episode.15 |少年と三つの組織《boy and three organizations》 ---
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ルイスside
鏡花ちゃんと別れた僕のもとに、一通の電話が掛かってきた。
『やぁやぁ、戦神。元気か──』
その声が聞こえた瞬間に、僕は電話を切る。
万事屋の携帯に非通知から掛かって来たかと思えば、フィッツジェラルドだった。
組合に入る気はないとあれほど言ったのに、どうしてこんなにしつこいのだろうか。
そう頭を悩ませていると、また電話が掛かってきた。
「しつこいんだけど。わざわざ電話してくる必要ある?」
『私、まだ一回目なんだけど……』
何で森さんが電話してくるんだよ。
そして、どうしておじさん達はこんなにウザいんだろうか。
『実は君に依頼があってね』
「さようなら」
『え、ちょっと待っ──』
切った瞬間、また電話が掛かってきた。
本当にしつこくてウザいから無視しようかな。
てか、着信拒否したらいいのか。
イラつきながら電話を取ると、予想していなかった声が聞こえてきた。
『ルイス。今回は本当に、何処の組織にも付くつもりはないのか?』
「……。」
『電話を掛け間違えた……訳ではないな。聞いているのか、ルイス』
「ウザくない人いた……」
暫くの間、僕は感動していた。
『貴君がいれば心強いんだが、やはり駄目か』
「そうだね。話は変わるけど送った人達元気?」
『与謝野君の治療を受け、もう完治している』
そっか、と僕は海辺の公園で潮風に吹かれていた。
探偵社まで距離が結構あったし、異能空間に入れて良かったかもな。
太宰君が言うから紅葉も置いていったけど、何を取引するつもりなのかな。
鏡花ちゃんの事も誤魔化したけど、彼には気づかれてるんだろうな。
『……時間を取らせて悪かった』
「いや、気にしないでいいよ」
この間にも、何処かで戦闘が起こっているかもしれない。
探偵社は拠点を移した、と言うけど森さんならすぐに突き止めてそう。
横浜の人達も巻き込もうとしていたら、少し面倒くさいな。
そういえばフィッツジェラルドの捜し物って何だろう。
結局知らないままだ。
「はぁ……」
|組合《ギルド》のメンバーをあれだけ送り込むということは、そう簡単に手に入るものじゃないんだろうな。
とりあえずは組合の拠点探し、かな。
あまりにも情報が少なすぎるのもあるけど、組合の裏にも誰かがいる。
確証はないけど、僕の勘は意外と当たるから無視はできない。
あのフィッツジェラルドを操る、とは少し違うけどそんな事をしそうなのは──。
「──いや、憶測で話を進めるのは良くない」
それから少しして、僕は港の見える建物の屋上にいた。
片手には双眼鏡が握られている。
豪華客船では、忙しそうに荷物が運び込まれていた。
指示を出している二人は、この前公園で空から降ってたな。
「……あれが前線基地か」
陸地に拠点を置けない組合にとって、この船が重要になってくる。
現在は燃料や武器といった消耗品の補給中だろうか。
「ん? あれは……」
確かポートマフィアの|爆弾魔《ボマー》だった筈。
普通に、何でこんなところにいるのだろうか。
森さんはいつも先手を打つなぁ。
「ゴホゴホッ……潮風が胸に毒だ……」
「おっと、君も居るとは思わなかったよ」
「ルイスさん!?」
相変わらず黒の長外套を羽織っている芥川君は、咳き込みながら言った。
森さんの話だと、骨折やら何やら酷い怪我だった筈。
そう簡単に治るものじゃないと思うけど。
「これから拠点潰し?」
「はい。ルイスさんはどうしてこのような処に?」
一番は組合の目的を知る事だけど、話す必要はないかな。
適当に誤魔化していると、何故か船から爆発音が聞こえてきた。
ユラユラと煙が空高くへ上っていく。
あの爆弾魔君、大丈夫なのかな。
そんな事を考えていた僕の隣に芥川君が立つ。
「ルイスさんはあの人の異能力を知っていますか?」
「知らないけど、爆弾を作るとかじゃないの?」
「……『|檸檬爆弾《レモネード》』は《《檸檬型爆弾でダメージを受けない能力》》です」
なるほど、と僕は双眼鏡を転送した。
船を沈めるのに最適な異能力。
コンテナから沢山の檸檬型爆弾が降って来たし、これは拠点が潰れたかな。
そして、組合の二人もタダでは済まない。
「僕はこの辺で失礼します」
「……無理はしないでね」
ふと、僕は芥川君と出会った時のことを思い出していた。
『仲間の為に、僕は死ぬわけにはいかないのだ……』
『じゃあ強くなれ。大切な人を守る術を学び、身に付けてみろ』
『師など僕には──!』
『今、僕に負けそうなのに?』
『それは……』
『まず、君は異能力に頼りすぎなんだよ。中距離援助型なんだから距離を取れ』
『──!?』
『体はそこまで強くなさそうだね、すぐ咳き込むし。でも体術、護身術は出来た方がいい。簡単な筋トレから頑張ってみなよ』
『……何故、そのような助言をする。僕は貴様を殺そうとしたのだぞ』
助けた理由は大したものではない。
子供が命を懸けて戦うのを、見ていられなかったから。
少し、息が苦しくなる。
過去を思い出す度にこうなる癖を治したいと、毎回思う。
「その怪我で戦わせるなんて酷いんじゃないかな」
もうマフィアと関係ない僕が口を挟むなんて、おかしいことだけど。
小さく呟いたその声は、強い潮風に乗って何処かへ行った。
あれから、少し経った。
前線基地が潰され、次に組合が取る行動。
幾つか予想することは出来るが、とりあえずは次の拠点を探すことだろう。
否、船が沈んだことを予想して何かもう用意しているかもしれない。
「……そういえば」
彼は元気かな、と僕は呟く。
仕事で何回か組合に力を貸したことがある。
その時に知り合った《《彼》》は元組合の長。
一応、公園で見かけたが話してはいない。
久しぶりに話したいな。
まぁ、フィッツジェラルドとは会いたくないから無理だけど。
「僕を尾行するならもっと上手くやってくれないかな」
振り返ることなく、僕は話し掛ける。
辺りには植え込みしかない。
「矢張りバレてましたか」
「すみません、尾けるつもりはなかったんですけど……」
「どうせ太宰君が巫山戯たんでしょ」
アハハ、と敦君は苦笑いを浮かべた。
「それで一体何の用なわけ?」
「鏡花ちゃんについて何か知りませんか?」
「この三組織異能力戦争で行方不明にでもなった?」
はい、と太宰君は少し余裕のある表情をしていた。
どんなに追求されようと、僕は答えるつもりはない。
「あの、どんなことでも構わないんです」
「申し訳ないけど──」
敦君は落ち込んでいた。
多少は悪いと思っている。
でも、今の彼女には一人になる時間が必要だ。
「拠点を移したらしいけど、調子はどう?」
「現在は|守勢《ディフェンス》と|攻勢《オフェンス》に分割しています。正面からやり合えば、流石の探偵社でも脳天が弾け飛びますから」
「まぁ、それが一番だね」
嬉しいかは別として、与謝野さんの異能は死なない限り全快出来る。
守勢は与謝野さんを守る為の賢治君と福沢さん。
乱歩さんも居るし、よっぽどの事がない限りは問題ないだろう。
攻勢は谷崎君の『|細雪《隠密能力》』と太宰君の『|人間失格《異能無効化》』で敵の横あいを叩く作戦か。
まぁ、問題は無さそうに思えるが──。
「──あまりマフィアをナメない方がいいよ」
「判ってます。森さんのことなので先手を打とうとしていることでしょう」
「福沢さんが刺客に襲われたりは?」
「えっと、確か一度だけありますが……」
敦君がそう言った横で、太宰君は考え事をしているのようだった。
僕の発言と今まで起こったことを思い返しているのだろう。
「……まさか」
「森さん──ポートマフィアはもう先手を取っている。組合の前線基地も潰しているからね」
「|放射性追跡元素《スカンジウムマーカー》ですね。社長は体術で応戦した筈なので、刺客の袖や服につけられていた場合、もう晩香堂が見つかっているかもしれない」
それじゃあ、と敦君は驚きを隠せない。
「敦君、すぐに守勢に連絡を──」
「だ、太宰さん!」
携帯電話を手に取った敦君は、その画面を此方へ見せてくる。
「……本当、最悪だ」
そう呟いた太宰君の瞳に光が宿っていなかったことを、敦君は知らないだろう。
タイミングよく来た電話。
スピーカーにして、僕も聞かせてもらった。
内容としては『組合と衝突する』というもので、マフィアの|伝言役《メッセンジャー》が来たらしい。
事務員を餌に組合を釣った、か。
森さんのことだ。
救出に向かった谷崎君と国木田君が間に合うギリギリに、晩香堂へ向かわせたのだろう。
敦君と太宰君の仕事は、旅客列車に乗って逃げてきた事務員の保護。
「ルイスさん」
「……ダメだね。一度も行ったことがないから間に合いそうにない」
これは、国木田君達に任せた方がいい。
そう伝えると、太宰君は小さく舌打ちをした。
森さんに読み負けたことが、少し悔しいのだろう。
「どうしましょう、太宰さん」
「元の予定通り私達は駅へ向かおう。心配しなくても、乱歩さんの考えてくださった作戦だ」
「……。」
「何か気になるところでもありましたか?」
いや、と僕は返事をしてまた考える。
本当に大したことではないのだが、森さんは探偵社の鏖殺を望んでいた筈。
今まで通りなら、マフィアは自らの手で報復した。
わざわざ組合に情報を売った理由を考えてみたが、イマイチ納得出来るものが浮かばない。
「私達は移動しますが、どうしますか?」
「着いて行くよ」
多分だけど、組合と衝突だけでは済まない。
次回予告。
僕は芥川。ポートマフィアの狗だ。
まさかあのような処で彼の人に会うとは思っていなかった。
人虎の件で会った時にも思ったが、彼の人は変わった。
太宰さんはもちろん、ルイスさんも僕にとっては大切な師だ。
首領曰く、元マフィアで何度か勧誘しているが毎回断られている。
彼の人が加入してくれれば、僕達も恩を返しやすいが━━。
次回、英国出身の迷ヰ犬。
episode.16 少年と呼吸する災い
次回も見なければ羅生門がお前らを喰らう。
潮風が胸に毒だ、手早く済ませよう。