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episode.24
四期までの情報しかないはずです!
原作(漫画)を見ながら書いてます!
オリキャラ注意!
--- episode.24 |悪者の敵《villain's enemy》 ---
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ルイスside
小屋を出ると、中也君の首に何か巻き付いた。
「さっきから妙に……肩が凝る……働きすぎか……?」
「ぬおあァッ!?」
「中也君!」
とりあえずQを|異能空間《ワンダーランド》に転移させる。
適当だけど#アリス#がどうにかしてくれるでしょ。
中也君はというと、|組合《ギルド》の異能者によって小屋に叩き付けられていた。
「むぅ、流石|組合《ギルド》の異能者。驚異的な|頑丈《タフ》さだ」
「踏むな!」
何やってんだ、この二人は。
そんなことより彼か。
「来るぞ。如何する?」
「ふっ、如何するも何も、私の異能無効化ならあんな攻撃、小指の先で撃退──」
「太宰ィ!?」
「──ッ」
僕はすぐに太宰君の後ろへと回り、緩衝材になる。
触手は中也君がどうにかしてくれた。
「重い……拳……」
「おい太宰!」
「私は大丈夫だ。それよりルイスさんが──」
ゲホッ、と僕は口元に手を添える。
ビタビタ音を立てて、血が地面を赤く染めた。
あー、骨でもヤったかな。
普通に痛い。
「太宰君、怪我はないね」
「は、はい」
なら良かった、と僕は後ろの木に手を添えながら立ち上がる。
「あの触手、異能無効化が通じてなかったね」
「莫迦な、そんなこと有り得るんですか?」
「私の無効化に例外はないよ。可能性は一つしかない。あれは異能じゃないんだ」
「はァ……!?」
正直なところ、有り得ないことではない。
人外の類いは存在する。
彼がそれかは判らないけどね。
「疲れた、眠い、腹が……減った、仕事を済ませて……早く……帰ろう」
「ルイスさんは休んでいて下さい。異能空間に避難していても構いません」
「……心配しなくても、そこまで深傷じゃない。何かあったときのサポートぐらいは出来る」
でも、暫くは休んでないとかな。
二人は懐かしの遣り方で行くらしい。
双黒を、久しぶりに見れるのは楽しみだ。
「彼を連れて……帰らなくては……」
ふと、目があった。
フィッツジェラルドに言われてるのかな、僕を連れて帰れとか。
面倒くさいなぁ、と僕はため息をついた。
「重力操作」
いつの間にか中也君が男に異能力を使っていた。
仕事が速いなぁ。
僕、サポートする必要ないじゃん。
「御見事」
「ったく……人を牧羊犬みてぇに顎で使いやがって」
「牧羊犬が居たら使うのだけど、居ないから中也で代用するしかなくてね」
「手前……」
あー、うるさい。
「手前は性根の腐敗が全身に回って死ね!」
「中也は帽子に意識を乗っ取られて死ねば?」
傷に響くな、と二人の会話を見守る。
その奥に見えた《《触手》》に、僕は驚くことしか出来なかった。
「太宰!」
太宰君の怪我していた腕が、触手によって宙を舞った。
彼自身も飛ばされ、木に打ち付けられている。
「こりゃ|本気《マジ》でどういう冗談だよ……?」
「中也君、とりあえず太宰君を……」
傷のせいか、思うように体が動かない。
『全く、無理しすぎなのよ』
「……#アリス#」
『太宰君なら心配要らないわよ。彼は賢いから怪我の身で戦場に出るにあたって先に仕込んである』
それなら、まぁ良かったかな。
血を流しすぎたのか、意識が遠退く。
「#アリス#……二人を、頼む……」
#アリス#side
「えぇ、ゆっくり休みなさい」
私はそう言って、顔をあげる。
アレ相手に残された選択肢は、それしかないわよね。
--- 汝、陰鬱なる汚濁の許容よ ---
--- 更めてわれを目覚ますことなかれ ---
「……後を頼まれたのは良いけれど、流石にあの状態の中也君は相手にしたくないわね」
中也君の『汚濁』形態は周囲の重力子を操る。
自身の質量密度を増大させ、戦車すら素手で砕くんだもの。
圧縮した重力子弾は|凡百《あらゆる》質量を呑み込む|暗黒空間《ブラックホール》。
まぁ、本人は力を制御できずに力を使い果たして死ぬまで暴れ続けるけど。
太宰君の|援護《サポート》が遅れたら中也君が死ぬ。
「──!」
その時、異形が爆発した。
何か仕込んでいたわね、太宰君。
「やっちまえ、中也」
「……倒した」
双黒が凄いことは知っていたけれど、ここまでとはね。
本当、ルイスと変わっておいて良かったわ。
敵がいなくなって、手当たり次第攻撃し始めた。
私はどうにか巻き込まれないように距離をとる。
「敵は消滅した。もう休め、中也」
「この……糞太宰……終わったら直ぐ……止めろっつうの……」
「もう少し早く止められたけど、面白くて見てた」
「ルイスさん……否、#アリス#さん巻き込んだらどうするつもりだよ」
本当だ、#アリス#さんじゃん。
そう太宰君は此方を見て手を振っていた。
「手前を信用して……『汚濁』を使ったんだ……ちゃんと俺を拠点まで……送り届けろよ……」
「任せなよ、相棒」
あ、中也君寝たわね。
「信じられない……あのラブクラフトが……」
君達は一体、と|組合《ギルド》の青年は問いかける。
太宰君は笑みを浮かべて云った。
──悪い奴らの敵さ。
「で、#アリス#さんこれからどうします? 探偵社まで背負いましょうか?」
「そうして貰えると助かるけれど、中也君どうするつもり?」
「もちろん、置いていきますよ」
太宰君は今日一番の笑みを浮かべていた。
あぁ、うん、こういう子だったわね。
とりあえず帽子と|外套《コート》を回収して、凡て|異能空間《ワンダーランド》に送っておいた。
「……今の時間迷惑じゃないかしら」
「与謝野さんなら喜んで|治療《解体》してくれると思いますよ。それに、私のせいですから」
「……別に気にしなくていい、って云うと思うわよ」
ルイスは、そういう子だから。
「太宰君、ルイスをお願いね」
ルイスside
「──!」
勢いよく起きた僕は辺りを見渡す。
ここは、《《あの場所》》じゃない。
まだ頭が起きていないのか、探偵社の医務室と理解するまで時間がかかってしまった。
「酷い顔だね」
「……乱歩」
厭な夢でも見てたんでしょ、と乱歩はラムネの瓶に入っているビー玉を揺らして遊んでいた。
僕は深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
「あれは夢なんかじゃないよ」
実際に起こった、最悪な現実。
なるべく思い出さないようにしてたのに、Q奪還作戦のせいかな。
眠りたいけど、今はまたあの光景を見てしまう気がする。
そう思うと、眠ることが怖い。
「莫迦だな」
「へ?」
「どうせ君のことだから罪悪感でも抱いてるんだろうけど、謝ってほしいと《《彼女》》が思ってると?」
「……調べたの?」
自分でも驚くほど、低い声が出た。
《《彼女》》なんて、調べていなければ出てこない単語だ。
「昔、君について調べたときに少しね。福沢さんも知ってるよ」
はぁ、と僕は頭を抱えた。
知られているから、福沢さんは予想より対応が良かったのか。
そして、乱歩も事前に色々とやっていたな。
「君、結構なお人好しだね」
「それ君が言う?」
僕は少し天井を見る。
多分、彼女は僕に謝ってほしいと思っていない。
前を向いて歩いてほしいと思っている筈だ。
言い方は悪いけど、僕は死者に縛られ過ぎていたんだな。
彼女達の時は、止まっているというのに。
「……乱歩」
「ん?」
「ありがとう」
少し目を開いてから、乱歩は満面の笑みを浮かべた。
「どういたしまして。お礼は駄菓子とラムネで良いよ」
彼女。
それはルイス・キャロルの相棒である。