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episode.19
四期までの情報しかないはずです!
原作(漫画)を見ながら書いてます!
オリキャラ注意!
--- episode.19 |始まる災いに抗う者達《Those who resist the calamity that begins》 ---
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ルイスside
「私、一週間は安静にしているように言ったよね?」
うん、と僕は中也君の蹴りを避けながら答える。
ここは地下訓練所。
ポートマフィアの構成員は誰もが使ったことがあるであろう、戦闘訓練専用の地下室だ。
「でも僕は止まってる暇がないからね」
「……どうやら《《恐れ》》は無くなったようだね」
ピタッと中也君の喉元ギリギリで刃が止まる。
そういえば森さんには気づかれてたんだっけな。
手当てをしてもらった時に#アリス#を恐れていたことを。
恐れが消えたといえば嘘になる。
まだ僕は罪悪感を拭い切れていないから。
「でもまぁ、あの時よりはマシだね」
「ルイスさん、ナイフ下ろしてくれません?」
あ、と僕はナイフを転送して片付けた。
壁に追い詰めて突きつけていたから、動くにも動けない状況だったのだろう。
悪いことしたな。
「怪我はどうだい?」
「完治してないし、まだ痛みはある。でも戦えなくはないね」
「いや、ちゃんと休もうね?」
それはできない、と僕は地面に座ってストレッチを始める。
中也君との戦闘は近接戦が中心。
普通に体が硬いと避けられない攻撃が出てきて大変だった。
一昨日は腰痛めたし。
『ルイス』
ふと、頭の中にそんな声が聞こえた。
その瞬間、僕の目の前に大きな鏡が現れる。
「敵襲か!?」
「あ、これは僕の異能だから気にしなくて良いよ」
えぇ、と中也君は表現し難い顔をしていた。
#アリス#のこと説明していなかったし、仕方ないか。
「異能力『|鏡の国のアリス《Alice in mirrorland》』は鏡を操る。この鏡はあらゆるものを弾くし、どこかの鏡に映った景色を見ることが出来るよ」
「ルイス君、『|不思議の国のアリス《Alice in wonderland 》』も充分チートだったのに、異能力二つ持ってるとかズルすぎないかい?」
「うるさい|幼女趣味《ロリコン》」
「|幼女趣味《ロリコン》!?」
森さんのことは置いておいて、僕は鏡の映像を見る。
これは中々厄介そうだ。
もし異能力が発動されれば横浜は──。
「ねぇ、作戦中のQは今どこにいるか分かる?」
「……知らないけど、どうかしたのかい?」
質問を投げかけられる前に、僕は異能空間から帽子を取って深く被った。
「|組合《ギルド》に捕らえられた。多分彼には僕でも敵わないから、今すぐの救出は不可能だよ」
「何だと!?」
「ルイス君でも勝てないとなると、|私達《マフィア》には手の出しようがないね」
本当、どうしたのものかな。
一体何をしようとしているのか知らないけど、ヤバいことは間違いない。
「一週間安静にしてたし、僕はもう行くね」
Qが捕らえられて数日。
僕が連絡を取ろうと携帯を取り出すと、ちょうど着信が来た。
「やぁ、奇遇だねぇ」
太宰君、と僕は笑いながら言った。
まさか連絡を取ろうとした瞬間に電話が掛かってくるとは思わなかった。
『大変です、国木田君の首元にQの痣が──』
「まさか探偵社にも被害が出てるとは……。とりあえず拘束しておきなよ」
『もうしてます』
流石、と僕は笑みを浮かべる。
「例の人形は|白鯨《雲の上》だけど、一体どうするつもり?」
どうやら敦君が自分で持って落ちてくるらしい。
僕もそう予想しているけど、本当に来るかな。
来なかった場合は僕が取りに行くしかない。
#アリス#も不可能ではないと言ってたし、本当に最終手段だけど。
『ところでルイスさんはこの一週間ちょっと何を?』
「フィッツジェラルドとの戦闘で死にかけて、マフィアにお世話になってたのが数日前」
『へ?』
絶対面白い顔してるよな、今。
凄い見たかった。
「あと、やっと向き合えたよ」
『……そうですか』
僕が思い悩んでいたことを、彼は知っている。
向き合うことが出来たのは僕にとって、とても嬉しい誤算だ。
お陰で前より動きやすくなった。
「ここ数日は異能空間に引きこもってたね」
必要かと思って、と僕は欠伸をする。
流石にこの量は要らないよな、とさっき気づいた。
まぁ、いつか使うでしょ。
『仕事早すぎませんか?』
「君ほどじゃないけど、頭は良いからね」
さて、僕はもう一仕事しないとな。
マフィアへ連絡は入れた。
探偵社もこれで問題ないだろう。
本番、対策してきた僕達がどれ程動けるかで被害者数は変わってくる。
「そろそろ私の出番でもあるわね」
仮眠を取っていた#アリス#が静かに呟いた。
|呪い《異能力》が発動瞬間に|物体《オブジェ》を設置。
#アリス#は鏡で仕切りをどんどん作っていく。
僕の担当範囲は結構広めにしてしまった。
まぁ、命を懸けてでも守りきるから大丈夫だろうけど。
『ルイスさん!』
「……さぁ、作戦開始だ」
僕は転移してから、ゆっくりと沈んでいくのだった。
#アリス#side
もう至るところから黒煙が上がっている。
--- 『|鏡の国のアリス《Alice in mirrorworld》』 ---
幾つもの鏡が町中に現れ、一般人と呪われた人達の間に仕切りを作る。
ついでに、例の|物体《オブジェ》も異能空間から送っておいた。
「……全く、本当にあの|呪い《異能力》は凄いわね」
ルイスに発動しなくて良かったと、本当に思う。
虎の少年の時も覗かせて貰ってたけど、ルイスがあの状態になったら本当に町が一つ消えるんじゃないかしら。
そんなことを考えていると、遠くにマフィアの姿が見えた。
被害が完全にない、とは言い切れないけど何もしてないよりはまだ良い筈。
どうやら警察機関は|組合《ギルド》が手を回してるらしいから動けていない。
探偵社だけであの地域は無理かしら。
「……いや、銀狼がいるもの。心配は要らないわ」
さて、と。
虎の少年が白鯨から落ちてきてるし、後は包帯の彼とルイスの予想通りに事は進みそうね。
「ルイス、そろそろ変わっても良いんじゃないかしら?」
ルイスside
「お疲れ様。後は僕がやることにするよ、#アリス#」
手に持っている双眼鏡で見てみると、敦君はパラシュートを持っている。
着地は心配いらないかな。
僕は早く避難誘導でも始めようかな。
『いや、虎の少年の|補助《サポート》をした方がいいわよ』
「え?」
もう一度見てみると、パラシュートが壊れた。
否、正確には《《何かに撃ち抜かれた》》。
『白鯨からの狙撃ね。このままだとあの子──』
──死ぬわよ。
#アリス#の一言を聞いた瞬間、僕はビルから飛び降りていた。
ある程度の距離まで近づかないと|異能空間《ワンダーランド》に送ることはできない。
どうにか地上に来れた僕は鏡の上を駆ける。
足場が不安定で何度も転びそうになるけど、今はそんなことを言ってる場合じゃない。
「ヤバい、間に合わな──!」
ドォン、という激しい音と激しい揺れ。
敦君が地面と激突したのは、間違いない。
生きているとは、到底思えない。
でも、瀕死なら与謝野さんの異能力で。
煙が晴れるまで必死に考えてみた。
けど、嫌な汗が止まらない。
「ケッ…ケケッ…ケヒッ…」
嫌な笑い声が聞こえる。
煙が晴れたとき、僕の瞳に映ったのは《《一匹の白虎》》だった。
白虎は僕の方を睨んでいる。
こんな時に異能力の暴走なんて、と戦闘態勢をとる僕。
しかし、白虎はそっぽを向いて変身した。
「……敦君を、守ってくれた?」
「ルイスさん……?」
太宰さんに届けなくちゃ、と人形へ手を伸ばす敦君に向けられた銃弾の嵐。
僕に対応できるわけがなかった。
「行けっ、敦!」
太宰は探偵社で待ってる、と僕は人形を渡して白鯨の方を見る。
結構距離があるから狙撃を無力化できない。
『敦君の向かう先、対応しきれてないわよ』
「つまり彼について行けってことか」
僕はすぐに敦を追いかけて、道を作る。
途中、#アリス#と代わりながら被害を少しでも減らすために動く。
しかし、もちろん対応できない場面はあるわけで。
「てめえは……!」
「済みません! この子、頼みます!」
「はぁ!?」
ポートマフィアの立原に敦が助けた子供を預けたり、ということになる。
「待て、クソ探偵社!」
「おぎぁぁぁぁあああぁぁ!」
「お、お前に言ったんじゃ無ぇよ!」
「もしかしなくても君、子供の扱い慣れてないでしょ」
ルイスさん、と立原は驚きながら僕の方を見る。
どうして彼が僕のことを知ってるか。
その理由は一週間お世話になってた時に、何度か手合わせして貰ってたからだ。
あの戦闘方法から考えるに彼は多分──。
おっと、これは今どうでもいいことだね。
僕は仕方ないからぬいぐるみを一つあげて、敦君の後を追うことにした。
次回、英国出身の迷ヰ犬
episode.20 頭は間違うことがあっても、血は間違えない。